日本橋人形町、両隣に「快生軒」、「玉ひで」という老舗がある。二階建てなのか三階建てなのかわからないが、正面は看板建築。ということは隠れているのは二階建ての日本家屋なのだろう。
白いのれんをくぐるとなかにはお年を召した女性がひとり。ボクを見ると奥に行き、なんと緑茶を運んできてくれる。お水でないところが、おもしろいな。
細長いテーブルに白い布をかぶせたイス。机の上にはガラスのソース入れ、ステンレスのナプキン立てが懐かしい。
洋食屋に入ったらほぼ100パーセント揚げ物をお願いするのだけれど、店内の古めかし懐かしい雰囲気に、これまた懐かしいオムライスをお願いする。
お願いするとご飯を炒める音とケチャップなのだろうかトマトの香りが漂ってくる。卵をかき回す音がして、ほどなくオムライスが出てきた。
ケチャップライスに鶏肉が入っているのがわかるので、いたって普通のチキンライスを卵焼きでくるんだ、典型的なオムライスだ。上から見ると円に近い形。普通、この卵焼きにケチャップかドミグラスソースがかかるはずが、なぜか甘いあんがかかっている。
あんというが鰹節だしではなく、ソース、もしくはケチャップをスープで溶き、あんにしたようなもの。かなり甘い。
このオムライスの上に甘いケチャップ風味のあんというのも、ここの創業者が修業した店のやり方なのであろう。とすると戦前、昭和期に入ってすぐから営業していた創世記の洋食屋のやり方を今に残していることになる。
味的には取り立てて書くほどのこともないが、間違いなくときどき無性に食べたくなるであろう、味だ。
]]> 近所のショッピングモールにあるグランルパはときどきおもしろいものが発見できる。とても普通のスーパーでは売れそうにないものも売っている。最近見つけたそんなものが、これ。どう見ても「金山寺みそ」なのに「納豆」の文字。
実際に買って食べてみてもやはり「金山寺みそ」であった。ただし麦麹であるのが珍しく、昆布が入っているのも特徴ではないか、しかしなぜこれが「納豆」なんだろう。
甘さも味つけも控えめで食べやすい。麦麹の食感もまたいい感じである。ご飯に合う。
島原みそ醸造元 長崎県島原市
お魚の勉強を一緒にやろう!
という『築地土曜会』という会を主催しています。
このたび忘年会を池袋で行うことになりました。
開催日は11月29日(土曜日)、午前11時からです。
とても気軽で楽しい会なので、どしどしご参加ください。
申し込みなどは以下のフォームへ
]]>ボクはとてもものぐさである。思っていてもなかなか実行できない。大好きな外房九十九里に出るには最先端の館山にはぐるっと内房をたどる。九十九里には東金を抜ける。勝浦、大原へは大多喜越えをする。そして鴨川の白間津などへは久留里超えとなる。
さて、外房の山中にある、このなんだかこぢんまりして、懐かしい雰囲気の久留里を通るたびに目に飛び込んでくると言うか、目にひっついてくるのがこの店。久留里街道から南に下る道の三叉路の角近くにある。
この店の外観は遙か20年以上前から同じ。異常ともいえるほどに汚い。ボロボロだ。でもボロボロ感にどこかしら惹かれるところが大いにあり、一度のれんをくぐってみたいとなんと20年以上思い続けてきた。我ながらなんとものぐさなことよ......。
そして先日、千葉県立中央博物館に行く必要があり、その前に小櫃の農協の直売所に行く。そこから足を伸ばして久留里まで。
お昼ご飯をこの外見ボロボロの店で取った。
入った途端に名物カレーうどんの文字。カレーライスもあるし、魅惑のカツ丼もある。が、ここでは素直に名物をお願いする。「カレー天ぷらうどん」である。
カレーうどんなのに匙(スプーンじゃないね)がついている。これでカレーをすくったら、これが実にうまい。家庭の味なんていう表現があるが、それに近いのに、絶対に家庭ではできないであろう味である。うどん自体もいい味だ。
久留里は外房に抜ける通過点でしかなかったものが、これから大いに変わりそう。今度はカツカレーにするかな!
古く徳島県の結婚式では花嫁さんが嫁ぎ先近くで車などを降りて、近隣の人の前を歩く。このとき配るのがこの菓子である。
幼い頃、お嫁さんが来るらしいとばあちゃんに聞くと、飛び出して行きお菓子をもらった。当然、もうこんなことはやっていないだろうが、懐かしい。
ボクたち徳島っ子は「嫁さん菓子」と言うが本当は「池ノ月」というらしい。
薄くて甘ったるくて、そんなにうまいものではない。が、徳島県の結婚式にこれがないというと、どこかしらもの足りない。
佐藤製菓 徳島県阿波市市場町
徳島県全域で造られている柏餅を包むのは「柏菜」とも呼ばれているサルトリイバラの葉。関東のようにカシワの葉ではない。
ここに餅粉の生地にあんをくるんで蒸す。ときにういろうのようなものを包んだものもあり、これがまたうまい。
徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)の端山、一宇に向かう街道筋に続く商店街には、いまだに本瓦武器の街並みが残る。そしてその屋根屋根にあるのが二層式の卯建(うだつ)である。
卯建では隣町美馬市脇町の方が有名だが、実は規模が大きいが、すでに商店街は死んでしまっている。比べるに貞光の卯建のある商店街は今でも現役でがんばっている。町が生きているのだ。
さて、この真ん中あたりにあるのが『飯田食堂』である。いたって普通の食堂ながら、なにを食べてもうまい。
いつもボクが食べるのはうどんとすし。すしはちらしずしであったり、きつねずし(関東での稲荷ずし)であったり。
この日は久しぶりにオムライスをお願いした。これがまた銘品なのだ! 今時の卵がどろり、なんてのが大嫌いなボクにとっては、この香ばしい焼き加減の卵焼きがたまらない。あまりのうれしさに、「もうだめ、だめ」と気を失ってしまいそう。当然、中のチキンライスもいい味なのだ。
全世界のみなさん、この片田舎にオムライスを食べに来ませんか?
飯田食堂
徳島県美馬郡つるぎ町貞光字町24-1
忙しくて、なかなか食べ物を買いに行けない。あるものだけでの朝ご飯。
主菜はロウニンアジのみそ汁〈昆布を少々入れて、水から煮出して、酒を加えてみそを溶く。薬味はコーレーグス〉、市販のサラダ、三重県産「あらめ」の炒め煮〈標準和名のサガラメ〉、こんことご飯。
今は越前市粟田部町。『日本地図帖』(1976)には今立町、その前、1956年までは粟田部町だったところ。いい感じの通りで見つけた、みそ屋さんに売られていた。最初、羽二重餅の店には行ったら留守のようで、その前にあった。
「もろみ」には「しょいのみ」、「ひしお」と呼ばれるものがあるが、それとは別種のものだ。ボクの場合、故郷(徳島県美馬郡貞光町〈現つるぎ町〉)で「しょいのみ」というしょうゆ味の「もろみ」に親しんでいたので、この汁気の多さが新鮮に感じられた。
塩気が強くなく、麹の甘さがあって、実にうまい。これいいね、って感じだ。
あまりにも慌ただしい朝だったので、いちばん簡単な料理を作る。
「聞き書 奈良の食事」、「奈良の郷土料理」、そして京都などで雑炊(orおじや)を「み」もしくは「おみ」という。
我が徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)ではいろんなものに「さん」をつける習慣があるので「おみーさん」と言う。
我がふるさとではみそ味であったが、しょうゆ味のものもあるだろう。だし用の煮干し以外は精進で、具は里芋、大根、どじょういんげん。ほっとする味なんだよね。
]]> 日曜日はあまりにも忙しすぎた。お昼は簡単に。
メインは徳島県の郷土料理「炊きこみ」〈はまち(ブリの若魚)を生じょうゆに半時間くらいつけ込んで炊きたてのご飯に混ぜ込み、蒸らしたもの。炊き込みご飯よりもうまい。絶品だ〉。
ゆで卵入りのお吸い物〈徳島県美馬郡美馬町(現美馬市)の同級生(だれだったのか忘れた)の家で食べたことがある。でも本当にこれ美馬町で作っていたのだろうか。思い出して作る〉、こんこ(たくわん)。
『聞き書 徳島の食事』に「炊きこみ」は阿南市周辺で作られていて、お吸い物とこんこがつきものだとある。
]]>
石川県で作られたウルメイワシのぬか漬がとてもうまい。熟成された味がたまらない。これをアンチョビーのようにしてスパゲッティを作った。
これが予想違わず実にいい味であった。これアンチョビーよりもうまいかも知れない。
あまり食料品の買い置きが少ないので、保存食を中心に。
島根県浜田市佐々木商店の酢いか〈国産スルメイカをつかった上物〉、
石川県白山市安新の「ぬか漬いわし」〈鳥取県産ウルメイワシを使ったもの。ウルメイワシでも作るんだなという発見がある〉、
煮干しだしで作った具だくさんみそ汁〈みそは岡谷市の喜多屋雪娘〉、大根下ろし、もどしおこげご飯。デザートは甲州ぶどう。
見た目はピーマンを丸くしたよう。長野県の伝統野菜にようだ。これが実に味がいい。実が実に甘くぴりっと辛味があり、種が激辛である。料理がいっぱい思い浮かぶ、なんでも作れそうな「唐辛子」である。
]]>本日、ケブカイセエビは生、ゆでる、みそ汁にしてみた。とてもうまかったー。
そのゆでとカリフラワーのゆでを盛り合わせた。そして千葉県産わらさ(ブリの若魚)で作ったブリ大根2日目、子供の頃、祖母が作ってくれていた塩味の卵焼き、三重県産あらめ(サガラメ)のみそ汁(岡谷市喜多屋 雪娘)、たくわん、おこげ混じりのご飯。