定食・食堂・料理屋: 2008年4月アーカイブ

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 島根県松江市は日本を代表する観光地だ。だからうまいもんはいっぱいありそうだけど、いざ気軽にうまいもんを食べたいと思うと、なかなか見つからない。それで松江市のお魚の供給地である松江魚市場でうまい店を聞いてみた。すると幾人ものひとが「かねやすさんところがええな」と口を揃える。「あそこは昼もやっちょるんだろうか、今電話してあげるわ」。昼もやっているというので、その日の11時半近くに店を探す。

 駅前から北、正面を見るとJFしまねのビルが見える。その道を北上すると一本目に左に入る道があり、探すこともなくすぐにみつかった。入り口は二間ほど、こぢんまりした店で入ると長いカウンターが左手に、右手に厨房がある。店の回り、店内になんの無駄な飾りも見られないのに「これは間違いなくいい店だ」と直感する。
 残念ながら普段は11時半にはやっているというのが、今回はまだ暖簾を掲げていない。それで中で待たせてもらう。厨房では忙しそうに人が動いているのがわかる。ご飯の湯気、みそ汁の香り、煮つけらしい醤油の香りが、空腹であるボクを襲撃してくる。

 何気なく正面の壁を見ていると、島根県の地ワインがいっぱい350円とあり、原料はメルロー種であるという。

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 これをいっぱい飲みながら待っていたら、サバの煮つけがバットに盛られてカウンターの裏側におかれた。これがたまらなくいい匂い。これを一皿いただき、ワイルドな甘さを感じさせるメルローワインを飲む。意外なことにサバの煮つけとメルローが合う。サバにまったく生臭さや、煮汁に濁りがないのはよほど新鮮なものを使っているせいかもしれない。

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 そして定食は刺身にする。塩焼きもサバで、もう一品、魚のアラの煮つけが加わるが、なんだか生ものが食べたくなったのだ。
 出てきたのが「はまち(ブリの若魚。当然天然である)」とイカ(種類はわからなかった)。この回りにある妻がいいのだ。過不足なく豊かな感じ。脇には切り干し大根、冷や奴に熱いみそ汁。これは理想的な昼飯である。刺身の味からしていいのだ。たぶん島根半島のどこかで揚がったに違いない「はまち」で味わいが軽い割に旨味をちゃんと感じられる。冷や奴にたっぷりのった薬味もうれしいな。

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この定食が650円というのはすごいな

 みそ汁は、さてなんだろうと言うと、さすがにすぐそこは宍道湖であって、シジミ。松江に来たらみそ汁はシジミだな。この味噌の加減も香りもいい。
 ひとつだけ残念なのはご飯が軟らかすぎること。これが昼に遅れまいとして、蒸らしが足らなかったためかも知れない。
 さて魚市場のプロたちおすすめの『かねやす』は店員さん達の接客もよかった。これは松江に行くたびに昼飯は『かねやす』に決まりかも?

かねやす食堂 島根県松江市御手船場町569-3
http://www.isurutown.com/matsue/gurume/0005/

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