2006年8月12日アーカイブ

koriaobachan.jpg

 八王子総合卸売協同組合の丸秘うまいものの決定版かも知れないのが『コリアンフーズ』のビビンバである。これはナムルを作りあまったら朝ご飯用に作るもの。当然まかないである。

koriamisemae.jpg

コリアンフーズの前には多摩地区一安い肉屋が並ぶ。当然、土曜日のは混雑するのだ。

 コリアンフーズが出来たのはそれほど古いことではない。まだ5,6年といったところだろう。キムチや韓国食材を売る店であったのだが最初は手探り、試行錯誤の繰り返しであったようだ。在日韓国人の朴さんにとっても、だんなさんの成さんにとってもテレビなどでたびたび取り上げられる激安市場、八王子総合卸売協同組合での生き残りは大変だったのだ。
 そのキムチの味わいは年々他を圧倒するものとなっているし、イカの塩辛や、焼き肉のタレなどは八王子のでも人知れずファンを増やしている。
 と、こんなことを書いてきて、さてボクにとってはこの店で最大のお気に入りなのはなんだろう? と考えると、なぜかキムチでもカクテキでもなく、焼き肉のタレでもない。ましてやナムルでもない。
 それは朴さん夫婦の食べる朝ご飯なのだ。これは石の鍋は使わないものの韓国の家庭の味であるビビンバ。これが朝食としては絶品なのだ。

koriakogasunoda.jpg

うまいビビンバの作り方の秘訣はとりあえずゴマ油はたっぷり。これでご飯をお焦げにする。

 材料のナムル、コチジャン、ゴマ油は自家製のものだが、ご飯はあの「サトウのご飯」。これは市場でも小さな区画であるコリアンフーズでは致し方ないもの。たぶん韓国でも家庭料理としてのビビンバはこんなものだろうのが身近な八王子で食べられるということである。こんなざっかけないものなのに、まさにこのビビンバが絶品というかうまいのだ。

 お腹空いたなと「コリアンフーズ」でのたまえば奥さんの朴さんが「サトウのご飯」を買いに走る。そしてガスコンロにいきなりたっぷりのゴマ油。煙が立つほどに脂が暖まったらご飯を入れる。そこにナムル。今回のはもやし、ニラ、ゼンマイなのだが、これをご飯にのせて、そのままふたをする。ジュージュー言うのを知らんぷり。そのままふたをして焼き、香りが立ってきたらお焦げをひっくり返す。ここに大量のコチジャン。これを混ぜ合わせ、またフタをする。そして香ばしくなったら出来上がり。仕上がりに胡麻をふる。

koriadekiagari.jpg

出来上がりはそれほどうまそうには思えない。でもこれがやめられない味わいなのだ。

 冷えたコーン茶とぴりっと辛いビビンバ。夏に疲れ果てたボクにはかけがえのない覚醒効果のある食べ物だ。


八王子の市場にことなら
http://www.zukan-bouz.com/zkan/sagasu/toukyou/hatiouji/hatiouji.html

ogawamise.jpg

 飯能祭のときに見つけた小さなてんぷら屋さんである。飯能大通りは昔、定期的に近隣から産物が持ち寄られて市の立ったところ。古き良き家並みが残っているのだが、飯能夏祭りの日で、それはたくさんの騒がしい露店の奥に隠れている。そんな一角にまだ真新しい、とてもこぎれいな店があり、そのガラス窓の向こうに、ご夫婦で天ぷらを揚げているのを見つけた。そのにこやかに、てんぷらを揚げている女性の優しそうな雰囲気がとてもいい。

ogawaageru.jpg

 店内をのぞいてもテーブルも座席もないので持ち帰り専門であるようだ。

 ついふらふらっと店内におじゃま虫。姫と一緒にあろうことか、ここでてんぷらを食べさせてもらう。これがいい味なんである。てんぷらの衣自体にも味つけがされているらしく、まずいただいたイカてんが、それだけ食べてもうまい。衣のさくっとしたのとイカの適度な柔らかさ、「ここに生ビールがあったら最高なのに!」と改めて買ってきてしまいそうになる。このイカてんをあっという間に平らげてもうひとつ。

ogawatennai.jpg

「なにかお勧めなのありますか?」
 ワクワクしながら聞くと、お二人はにこやかにあれやこれや考えて、
「かき揚げかな。これはねイカ、サクラエビに玉ねぎといろんな野菜が入っているんだ。まあこれだけ入ってるのは珍しいと思うよ」
 さっそく、かき揚げをむしゃむしゃ。姫はチョコバナナに夢中で「くれ」とは言わない。多種類の具のせいだろうか? 味わいにふくらみがある。その全体をまとめているのが玉ねぎであるようだ。

ogawakakiage.jpg

 さて、真夏ではなく、また祭の日ではなく、クルマで来ているときのお土産は「小川」でかき揚げと決めてお店を後にした。

 ボクは町の良さは、風景の一部となりきっている個人経営の小売店が並んでいることだと思っている。この「てんぷら 小川」などご夫婦共々、飯能の街並みになくてはならないものであると、よそ者のボクでも思う。こんなことを同じように思っている小学生や中学生は多いのではないだろうか。ボクの幼い日にそんな思いで通り過ぎていた店は、今でも瞼の裏に焼き付いている。
 それとこれは「飯能の豆腐は真四角なのだ」の続きなのだが、この大通りの一角に「問屋」という昔は食料品の市場を運営していた豆腐屋さんがある。そこが小川さんなのであるが、この「てんぷら 小川」さんが「問屋」からの分家、また真四角な豆腐を作っている「とんき食品」も分家なのだ。この「問屋」さんが市場を運営していたときというのはどのようなものだったのだろう。例えば個人経営の市場は各地にあり、例えば八王子綜合卸売センター、八王子総合卸売協同組合なども「公設」ではない。「公設」ほどの規模はなく、小さな地域の流通の要としての市場ってどんなものなんだろう?

このアーカイブについて

このページには、2006年8月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2006年8月11日です。

次のアーカイブは2006年8月13日です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。