2007年9月アーカイブ

akebono07091.jpg
●クリックすると拡大

 市場通いをしていると馴染みの食堂が決まってくる。ボクの八王子の市場3つにあって、お決まりの店というのが八王子綜合卸売協同組合「光陽」である。
 ある日、市場でマグロ屋、肉屋なんかと無駄話して、飛び出して来たのが、八王子総合卸売センター「あけぼの」の話題。それは「店主はもともと有名中華料理店で修業した人で『やきそば』はゆで麺を使わないで蒸し麺を使っている。それがうまいのだ」とのこと。

 それで自宅にこもって仕事三昧に日に、のこのこと焼きそばを食べに出かけていった。それは市場の多くの店が片づけに入ってしまった1時過ぎのこと。
「あけぼの」は無愛想な店主と奥さんふたりでやっている。店は細長く、片方通路側に小上がりの座敷、反対側に厨房とカウンターがある。市場の食堂としては広い方だ。
「焼きそば」を下さいというと、「五目ですか? ソース?」ときかれる。中華料理の「焼きそば」なんだから当然、五目焼きそばに決める。
 注文すると、直ぐに中華鍋を振る音がして、ほんの数分で五目焼きそばがやってきた。これが素朴だが味のいい、中華料理店の「五目焼きそば」である。蒸した麺はともかく上にかかったあんがいい。この在り来たりだが、うまい「五目焼きそば」に味をしめて、なんどか「あけぼの」で朝ご飯や昼ご飯をとる。

akebonoyakisoba07092.jpg
●クリックすると拡大
五目焼きそば

 日替わり定食というのが600円であったり、650円であったり。そこにチキンカツといううれしい品書きを見つけて、これがまた柔らかく、下ごしらえのちゃんとしたうまいフライだった。そして味噌タンメン、これもよかったな。

AKEBONOTIKINKATU0709.jpg
●クリックすると拡大
うまいし、安い、日替わり定食650円

akebonomisotan0709.jpg
●クリックすると拡大
味噌タンメン

 このような中華を中心に置いた、在り来たりだけどうまい飯を食わせる食堂がいちばんありがたい。最近では若い者はともかく、中高年でもファミレスでご飯なんてバカなことをするヤカラがいる。でももののわかった大人というのはやっぱり食堂がいちばんだと思うはずだ。
 八王子総合卸売センター「あけぼの」はいい食堂だぞ!

八王子の市場に関しては
http://www.zukan-bouz.com/zkan/sagasu/toukyou/hatiouji/hatiouji.html

narimitu07091.jpg
●クリックすると拡大

 お茶の水駅から、駿河台をおりてすずらん通りをまっすぐ、白山通りを渡ったところを、さくら通りという。ここにはかつて戦前の映画界に名を残す東洋キネマ(20年くらい前まで建物が残っていた。映画館)があり、確か勧行場(文字間違っているかも、資料が見つからない)もあって戦後まで殷賑を極めたところであった。でも今は見る影もない。

 ボクがさくら通りに行くのは単に銀行に立ち寄るためであり、行きつけの古本屋があるではなし、とんと縁のない地区だ。時刻は5時を回っている。昼飯抜きなので腹が減って「どこでもいいから、飯が食べたい」という状況に陥っていた。でもこんなときに厄介なのは帰宅して魚貝類が待っていると言うこと。なにしろ365日、魚貝類を食べない日はない、という日常なので自宅には「食べなければならない魚貝類」が常に待っている。

 と言うことでラーメン屋を探す。探すほどのこともない。さくら通りの専修大学通り入り口角に一度も入っていない古めかしい中華料理屋があるのだ。当然、ボクが初めて神保町を歩いた30年以上前にもあったのだけど、このあたりは専修大学の縄張りなので一度もここで飯を食ったことがない。

 店は角地で外観からすると三角形じみて見える。入ってみるとこれが正方形に近い。薄暗い店内、古くなったテーブルが3つ、4つ。右手奥が厨房で、隔てる壁にたくさんの品書きが見える。ボクは当然の如くラーメンを注文する。ここには「半チャンラーメン」があるが800円以上もする。これは都内の中華料理屋の平均的な値段ではあるが、神保町では高い部類になる。

narimitu07092.jpg
●クリックすると拡大

 ほどなく来たラーメンは想像したごときものであった。すなわち中華料理屋のラーメンよりはちょっと上だろうと思われるもの。店の看板にある「中華そば」の文字にほんの少し期待していたのだ。豚ロースであろうチャーシュー、メンマにほうれん草。東京ラーメンでは必須アイテムである「なると」がないのが残念だが、醤油味のスープは明らかに昭和の味がする。スープは醤油の香りが強いがなかなかあっさりしてうまい。塩分濃度と旨味のバランスもいいではないか。ストレート麺がやや多めであること、やや粉っぽいことなどが欠点だ。麺を替えれば、これは旨い部類のラーメンではないだろうか。思ったよりも「上」のラーメンに満足して店を出る。

 夕闇迫り、帰宅を急ぐ人が行き交う。近所に品揃えは凄いが値段の点で折り合いのつかない『鳥海書店』がある。目の前には小さな酒屋があって、日本酒、焼酎の品揃えが素晴らしい。しかも仕事場からちょっと距離があるのがいい。ということで、「ときどきここで飯を食うのもいいな」と久々のさくら通りで思った次第である。

成光 千代田区神田神保町2の23

komachan0709123.jpg
●クリックすると拡大

『市場寿司 たか』は八王子市北野、八王子綜合卸売センター内の市場の寿司屋である。その店主、たかさんが最近困っているのが至って野放図な市場人のわがままな注文である。
 ちょこっと店に来て「あのさー、そこからそこまでのネタ、出来るだけ細かく切って丼にして」とか「マグロの八の身とタクワンだけで丼ね」とか、「ネギトロととろろ芋でトロトロ丼」とか「イクラもカニもウニもいらないからボクの好きなネタだけで丼ね」だとか、「明太子もらったから寿司飯だけでね」とか、「ほーらコレ、いいマグロだろ。本ま(クロマグロ)だぜ。これをすし飯の上にね」なんていうマグロ屋までいる。「みんなわがままは止めろ! たかさんが泣いているだろ」とボクが一喝。だいたい市場で棲息する人類でボクだけがまともだ、在る意味、理性の塊のようである。

komachan07091.jpg
●クリックすると拡大

 そして「カワベ」のコマちゃんの本日のわがままがコレ。コマちゃん、明太子が大好き。それに反して、たかさんは嫌いであるようだ。それなら「玉子焼きばっかり乗せて」と来た。それを店まで持ち帰り、冷蔵ケースの上で遅い朝ご飯。前に並んでいるのが明太子2パック。パックから直接、明太子をのせては食っている。
 なんとまあ、おかしな丼であることか? と思ったのだけど、意外に『市場寿司 たか』自家製の出汁巻き卵と明太子がいけそうだ。こんどたかさんにお願いして作ってもーら、おーー。
 最後にこんなわがままだけれど、コマちゃんの売る上州牛は最高だ!

八王子の市場に関しては
http://www.zukan-bouz.com/zkan/sagasu/toukyou/hatiouji/hatiouji.html
『市場寿司 たか』へ
http://www.zukan-bouz.com/zkan/zkan/rink/gest.html

このアーカイブについて

このページには、2007年9月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2007年8月です。

次のアーカイブは2007年10月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。