駅弁・弁当の最近のブログ記事

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午後2時過ぎ、上越新幹線ときに飛び乗る。
遅いお昼を駅弁でとなり、大宮手前で車内販売で買い求める。
基本的に白いご飯が好きなので、「幕の内ありませんか?」というと、ないのである。
なんと弁当の基本を忘れ去った、会社だろう、ときの車内販売をしている会社は。
「責任者出てこい!」
仕方なく、炊き込みご飯ベースの曰くありげな、「SLばんえつ物語弁当」を買う。
950円なり。
やはり駅弁はデフレなのに高い。

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さて、醤油味の炊き込みご飯に、ホタテの煮物、鶏肉、イクラ、サケらしきものがのる。
いたって素直に新潟を表したラインナップでよろしい。
食べてもいい味だし、まんぞくまんぞく。
なんといっても野菜の煮物、鰊がうまい。

と、ここで終わってしまえばいいのだけど、気になるところ多々ありの駅弁なのである。
実は水産系のホタテガイは国産だろうが、サケもニシンもイクラも輸入ものに違いないのである。
特に特に大問題なのが、サケ。
これがサケの国・新潟県なのにサーモンなのである。
色合いを見る限り、サーモントラウトであって、産地はチリだろう。
いい加減にしなさいと言いたい気分。
サケなら国産でも、お弁当にも使える値段のはず。
新潟産は無理でも北海道産くらいの分別が欲しい。

弁当の名に「物語」とあるが、こんなことで買う人の夢も旅情も壊してはあきませんな!

神尾商事株式会社 新潟市新津本町1丁目1番1号

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 このところ減量中なので、『さくら』でお茶ばかり飲んでいる。
 なにしろあと少しで80キロ代になる。
 そんなときに限って、まささんから甘い誘惑が投げかけられる。
「今、うまいもんがあるんだけどな」
 これが本当はまずいというならいいんだけど、誠にうまいから困ってしまう。
 それでも我慢に我慢をする。
「じゃあ、お弁当作ってあげようか」
 これはうれしいに決まっている。
 そして出来上がった来たのがソースかつ弁当。
「ええええ、かつが多すぎて、ご飯が見えない」
 ありがとう、と帰ってきたはいいけれど、そのかつ一切れ食べて、ノックアウトしたのはボクの自重心、堰が切れたかのように食欲が奔流のように襲い来る。
 かつの味わい、それこそ名状しがたい。
 うますぎるし、なんだこれはというくらいに柔らかい。
 ついでに、ソースがうまいのだからどうしようもない。
 お弁当のご飯だけでは足りず、残りご飯を二度温めて食べてしまった。
 後悔先に立たず。
 わき上がった食欲は理性より強し。
 明らかに一キロは太ったであろう、重い足取りで都心に向かうのだ。
 これは、明らかにまささんの陰謀なのだ。

八王子市場案内
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑
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 山陰本線はれっきとした幹線鉄道である。
 京都駅から山口県下関まで、というのだから凄まじく長く、国内でも屈指の鉄路だろう。
 島根県に通うようになって、何度もこの長大な山陰本線に乗っている。
 乗ってみなけりゃわからない島根県の実情というのがある。
 例えば山陰本線は幹線鉄道なのに単線なのだ。
 例えば長大な鉄路を有しているのに1時間に1本しか便がない。
 そして例えば、朝夕でも2両編成、深夜(そんなに遅い時間ではない)ともなると1両編成が当たり前。
 夜遅く乗ったら、途中から乗客がボク一人なんてことだってあった。
 そのときの寂しさと言ったら、カンパネルラと別れたジョバンニのようではないか。
 たくさん乗っていた乗客を消去してしまったのは誰だろう。
 それは都心にみっともない巨大ビルを建てている脳天気野郎や、小沢一郎を代表とする汚染された政治家、汚染された行政者、汚染された企業、人間味の欠片もない金(かね)本位バカだろう。
 早く人間性を取り戻して欲しいものだな、この国の人たちよ。
 と、自分も含めて戒める。

 閑話休題。
 駅弁に話を戻したい。 
 島根県浜田市から『島根県』津和野町に行くには、山陰本線で島根県益田駅まで行き、そこで山口線に乗り換えることになる。
 車で行くと、1時間半くらいだろう、これが鉄路だと2時間以上かかる。
 なぜなのだろう?
 それは山陰本線が一時間に1本なら、山口線の本数はもっと少ないからだ。

 益田駅で半時間ほどの待ち合わせ。
 駅前通の酒屋で日本酒を買い、それでも駅で退屈な時間を過ごす。
 あまりに暇なので、駅売店をのぞき見つけたのが「さざえ弁当」だ。
 長楕円形に帯状のラベル、そこに「益田名物」、「寄ってみんさい 来てみんさい 歌の聖の人麻呂と 画聖雪舟に 日本海の旬の味」とある。
 弁当を食べ終わってしまっても「さざえ弁当」と「益田名物」以外、この細かなコピーまでは読んでいない。
 このコピーは帰宅して画像から読みとったもの。
 面白いコピーだが、長すぎて行楽気分にはないボクには意味をなさない。
 ボクなら「人麻呂・雪舟縁の地 益田名物」だけにする。
 ゆったり旅気分の人用に長いコピーを小さく印刷すればいい。
 ちなみに「さざえ弁当」の大きさはよろしいな。

 包装も簡便でキッチュなものなのに値段は900円もする。
 材料がサザエなんだから当たり前だけど、駅売店の隅に置いてあったので高いと感じた。
 これが思わぬ拾いものだった。
 食べたら900円が安いとさえ思った。

 午前11時過ぎ、停車中のディーゼルカーに乗り込む。
 益田の地酒「宗味」ワンカップ片手に、ディーゼルカーの大きな揺れを気にしながら、2駅超えてから蓋をとる。

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 長楕円形の三分の二がさざえ飯でうまっている。
 上に煮たサザエがあるので、ご飯を煮汁で炊いているのだろう。
 おかずは竹輪、野菜天(薩摩揚げ)、玉子焼きに椎茸。
 もうひとつ、今度は丸のままのサザエが一個。
 漬物は大根二種でタクワンと桜漬け(桜色の漬物)。
 サザエを何個使っているのか判然としないが、明らかに原価率が高そうに思える。
 安いときだったらサザエは二個で200円ほど、高いときなら300円はするだろう。
 練り製品の質もよく、なかなかこれは良くできた弁当と言わざるを得ない。

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 さて左手にワンカップを持って、何がうれしいかというと、さざえ飯が、酒の肴として食べられることだろう。
 ボクは駅弁にはお茶ではなく、ワンカップというのが大好きなのだ。
 ご飯に適度な旨味と醤油の香り、ときどきサザエにあたるとほんのり甘みを感じる。
 煮サザエはうまいのだけど個人的には無用だ。
 でも普通の人なら、感激するだろう。
 ボクはずぼらなので、ワンカップをわざわざ車窓に置き、左手にサザエの貝殻を持ち、爪楊枝を右手に持つのが煩わしい。
 さて、ボクが幕の内弁当を愛好するのは酒を飲みながら食べられるからだ。
 その意味では「さざえ飯」も飯自体が酒の魚となるので、とてもありがたい。

 山口線は山の中を縫うが如く走る。
 日は傾き、車窓からの眺めがいやに深として寂しい。
 「さざえ飯」でワンカップを一本。
 食べ終わって二本目を飲む。
 
2008年7月25日
デリカ丸久 島根県益田市あけぼの西15-5
宗味
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 昨年からなんど伯備線に乗っただろう。
 1度、2度、これが3度目かな。
 昼間走る伯備線の車窓から見える景色にはだれだって、感激するだろう。
 その山里の、そして山の斜面の、川の流れのなんと美しきことよ。
 対照的に、夜はなんとも寂しく、誰もいなくなった銀河鉄道を思わせる。
 特急やくもの不思議な、左右前後の揺れ、ククウウク、ククウウク、クウククという不気味な音。
 この揺れもインドコテリウムの鳴き声ののごとき雑音も夜の方が大きい。

 今回は午後一番の特急やくも、なんだか旅情を感じて、思わずホームで駅弁を買う。
 残念だったのが、伯備線ホームには大関しかワンカップのないことだ。
 JR西日本さんよ、できたら地酒のワンカップおいてくれないかね。
 大関じゃ、せっかく湧いてきた旅情が急激にしぼんでしまう。
 結局スーパードライを一缶。

 伯備線は倉敷、備中高梁をすぎて、急激に山間のなかに入っていく。
 左に川が見えるのだけど、なんともきれいだ。
 備中高梁といえば、赤穂浪士の大石内蔵助が城の開城を担当したところだったはず。
 いや違うな、豊臣秀吉(このときは羽柴秀吉)が水攻めをやったところだった。
 この戦を切り抜けて、秀吉は天王山へ大返しをやったんだ。

 備中高梁をすぎて「味折小町」をあける。
 そう言えば、これは伯備線ホームでたった一個だけ残っていた幕の内なのだ。
 駅弁売りのオバサンに「幕の内ありますか」というと「祭寿司だけなんです。でも、ちょっと待ってくださいね」、といってもう一人いた駅弁売りのオジサンのところに走り、これこそ伯備線ホームに最後に残った幕の内弁当が買えたのだ。
 紙の蓋をとったとたんに典型的な幕の内が出てきた。
 多種多彩なおかず(肴)に木型で型押ししたご飯。
 白いご飯に黒ごまという幕の内の基本形がここにある。
 赤魚粕漬け、高野豆腐煮、鶏肉南蛮漬け、卵焼き、肉団子に牛肉しぐれ煮、海老天ぷら、菜の花チキンくらげ和え、なす天ぷら、小松菜お浸し、きんぴらごぼう、椎茸煮、人参煮、ほたてチリソース和え、鶏肉そぼろあん、大根漬け、そら豆塩ゆで、ポテトフライ、大根生酢、梅干し、枝豆塩ゆで、と並んで900円は安いのではないか。

 さてどうして幕の内はこれほどおかずが多彩なのか、というと、おかずが酒の肴でもあるからだ。
 だからおかずの3分の2ほどで酒を飲み、残りでご飯を食べる。
 それなのに缶ビールとは情けない。
 この幕の内なかなか味がいい。
 おかずもご飯も合格点。

 こんなときに限って酒がないのだ。
 吉田健一なら思わず、電車から飛び出しただろう。
 山口瞳なら、ボクどうようにひとり情けない思いにかられたに違いない。
 幕の内は酒を飲むためにあるのであって、ビールを飲むためのものではないのだ。

 さてさて岡山から伯備線に乗り込むなら、改札を通る前に近くのデパートなどでうまい日本酒を買い、伯備線ホームで、決して祭寿司ではなく、幕の内を買うのが最上の選択である。

 ぼんやり外を眺めながら、なんとなく物思いに耽っていたら、右手に大山が見えてきた。
 そして山間部から平野部になり、なんだか急に景色が明るくなったのである。
 米子は近い。
 米子まで来たら、松江まではもう一息なのだ。

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 金沢の旅では疲労困憊。
 へとへとで飛び乗ったのが「特急はくたか」である。
 駅員の方が指定席の方がいいというので、従い、その車両にのったら座席を4人がけにして散らかし放題にしている男性がいる。
 なんだ? と思ったら、車両番号は同じでも別車両だった。
 わびを言って、前の車両に向かったのだが、この男変じゃないだろうか?
 地方の特急に行くと、いきなり4人対面席にしてしまって、寝てしまうだらしないヤカラがいる。
 たぶんいつも空いているのがわかっているのだろうけど、やはり良識を逸脱している。
 ついでにつけ加えると、12月の伯備線下り「出雲」は思ったよりも混んでいたのだ。
 二人連れの客が一緒に座れないと困っていたのに、そのまま4人がけで駅弁を食っていたヤツがいて駅員は何も言わないで通り過ぎてしまった。
 空いているかもしれないが4人対面にして座るやつは馬鹿者である。
 ボクはそう思うけどな。

 やっと席についたら駅弁を売りに来た。
「何がありますか?」
 というと「ますのすし」に幕の内弁当だという。
 ボクは基本的に白いご飯が好きなので幕の内にする。
 値段1100円は高いなと思うが、幕の内的に豪華なんだろうと期待する。
 これが大失敗だったのだ。
 中をあけるとぜんぜん幕の内ではない。
 「はくたか」にのった初っぱなにイヤなことがあって、それでこれかよ。
 ますます不愉快になる。
 責任者出てこい。
 これは決して幕の内ではない。
 牛肉弁当とすべきだ。
 幕の内の基本は俵型に型押しした白いご飯に黒ごま、そこにちまちまとおかずというもの。
 目の前にあるのはまったく別物ではないか?
 だいたい牛肉はともかくタレに酸味があるのだ。
 おかずだって、牛肉がまずいのだからどうしようもない。
 甘いもの、酢の物、奈良漬け。
 牛肉の上にはジャガイモにニンジン。
 ボクがいちばん嫌いなタイプの弁当なのである。
 最初から、牛肉弁当を考えて買ったなら、それほどダメな駅弁でもないだろう。
 しかし、「幕の内弁当」と思いこんで、これを買ったならもうダメだ。
 ダメすぎる!

 北陸本線はJR東海なのだろうか?
 これを絶対に幕の内として売らないように、迷惑極まりない。

2008年11月14日
大友楼
http://www.ekiben.or.jp/hokuriku/ootomorou_m.html
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 駅弁はあんまり好きじゃない。
 例えば一人旅で新幹線に乗る。
 見知らぬ人が隣に座ると、なんとなく弁当なんて食べる気にならなくなる。
 だから鉄道を利用するときには「立ち食いそば、うどん」をもっぱら食べる。
 でも売っている駅弁を見るのは好きだし、たまにお土産に買う。

 今回は東京駅から名古屋までの新幹線。
 絶対に駅弁を買い求める状況ではない。
 でも新幹線の改札口を出て、すぐのところに面白い駅弁を見つけて、ついつい魔が差したように買い求めた。
 なんとも贅沢な900円なりだ。

 その駅弁名は「品川名物 貝づくし」というもの。
 品川と貝というのは現代ではとんと結びつかない。
 戦前ならば、可能性はあるが、しかしそのときですら有名な産地でもない。
 とにかく「品川=貝」というのは解せないな。
 例えば明治期、大正期、たぶん戦前くらいまで(人によっては高度成長期以前)、とくに江戸時代、品川はカニや貝などで有名であったことがある。
 潮干狩りの図というか浮世絵などもあったはず。
 残念ながら今では見る影もない。
 ちなみに現在でも京浜運河などではアサリ、ホンビノスなどの貝はとれる。
 とれるけど、この水質をみるにとても食べる気にはなれない。

 じゃあジェイアール東海パセッンジャーズという会社はどうやって、もっともらしく「品川名物 貝づくし」なんて名の弁当を作ったのか?
 それが知りたくてわざわざ買い求めたのだ。

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「ハマグリ、イタヤガイ、シジミ、アサリ」
 裏面の原材料にある貝の種類はこれだけ。
 4種で標準和名での記載はアサリだけ。
 あとは種はわからない。
 包みをあけて、まずは貝を調べてみる。
 まず間違いなくイタヤガイは輸入品である。
 たぶんアメリカイタヤかシナイタヤ。
 ハマグリも輸入品としか思えない。
 たぶんミスハマグリ(ベトナム産)、もしくはシナハマグリ(中国産)。
 アサリとシジミも怪しい怪しい。
 中身で見る限り「品川」なんてどこにもない。

 このようになんでも地名をかませればいいというのは「変」じゃないだろうか?
 法律にはふれないけど「だまし」に近い。
 こんなことが許されるのも水産物の標準和名や輸入国、養殖、天然の表示義務が加工品にはないからだ。
 そこをジェイアール東海パセッンジャーズという会社は利用しているように思える。

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 さて食べてみると、なかなかおいしい。
 けっして出色のうまさではないが、1000円前後の弁当では合格点すれすれだろう。
 弁当を作る会社に求めたいのは、もっと原材料に対する表示をしっかりやること。
 弁当名をつけるとき、最低限の誠実さを持ってつけることだな。
 ジェイアール東海パセッンジャーズはこの弁当に関する限り、ダメじゃないかな?

ジェイアール東海パセッンジャーズ
http://www.jr-cp.co.jp/
http://www.jr-cp.co.jp/products/index.php

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 6月の広島駅、やっと通勤ラッシュが終わったところである。
 ボクは駅構内で立ち食い(立ち食いの麺類を売るスタンド)を探したのだ。
 そして芸備線ホームで、駅員さんにそれを問うと、「ありませんな」なんて答え。
 どうやら「簡単に朝ご飯が食べられるところ」と問うたのが間違いであったようだ。

 それでホームを新幹線改札口の方にもどって、立ち食いスタンドを探したのだけどない。
 仕方なく買い求めたのが、今回の駅弁なのである。
 ちなみにボクは駅弁はあまり好きではない。
 だいたい芸備線で弁当を広げられるものだろうか?
 その芸備線ホームに戻り、入って来たディーゼルカーを見ていて、振り向くとなんとそこにうまそうな立ち食いスタンドがあったのだ。
 それこそ目の前に、気づかなかったのは隣のホームに車両がとまっていたせいに違いない。

 とにかく芸備線に乗り込む。
 思った以上に上客は少なく、4人がけの席にたったひとり。
 喜ばしいことなのか、芸備線の将来を鑑みて憂うべきことなのか、なんとか駅弁を広げる。
 経木風の折りに薄く煮染めたご飯、上には丸々一本ほどの焼き穴子がのっている。
 香の物の奈良漬け、ショウガの酢漬けの量がほどよい。
 なかなかなんとも見事ではないか?
 これなら1260円でも高くない。
 煮染めたご飯がうまい。
 軽い味付けで旨味も微かに感じられる。
 そこに香ばしい焼き穴子の、これまたうまいのでちょっと感激する。

 次の駅でまた上客が乗り込んできて、ボクの4人がけをにらんで通り過ぎていく。
 でもボクの前の4人がけも空っぽなのだ。
 芸備線ははじめこそ市街地を走っていたのが、徐々に民家まばらになり、庭先でイチジクの木を剪定する老人が間近に見える。
 そして幾駅か過ぎてディーゼルカーはそれこそ山を縫い込むように走る。
 川をいくつも超えて、そろそろ三次というとき、乗客はボクひとりだけになる。
 このとき弁当は当然跡形もなく消えてしまっている。

ひろしま駅弁
http://www.ekibento.co.jp/index.php

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