B級グルメ・B級食品の最近のブログ記事

 東京に出てきて、迂遠になったものがあって、それがお好み焼きである。
 徳島県では、近所に必ずお好み焼き屋があって、備え付けの分厚い鉄板で、すぐにうまいのが食べられる。
 ボクが子供の頃なんて、街角街角にお好み焼き屋があって、部落部落の子供達が縄張り的にひいきの店を持っていた。
 子供達の社交の場であったし、「くらやみ五段」とか「おれはスカタン」なんて月刊漫画を読んでいたのも、お好み焼き屋だった。
 大阪を中心に関西でも、これは当たり前だろう。
 事ほど左様にお好み焼きには子供の頃から慣れ親しんできた。

 今では外食ではなく、ときどきお昼なんかに作ることの多いお好み焼きであるが、我が家のは関西風というやつだろう。
 小麦粉を水で溶く。
 これを小丼などに入れ、キャベツ、イカ、天かす、卵を加えて、焼く直前にかき回す。
 後は焼くだけで、ソースが徳島の加賀屋のものだという以外に何の変哲もない。

 関西風があれば、もう一方に広島風がある。
 これがどのようなものなのか、明白ではないのだ。
 関東にも広島風お好み焼き屋はある。
 なんどか食べたことがあるのだけど、印象に残っていないのだ。

 と言うことで広島で時間が出来たので、お好み焼きを食べに市電に乗り込む。
 観光案内所で「八丁堀でおりるとすぐですから」と聞いたのは「お好み村」である。
 なにしろ時間がないので、本命中の本命を目差す。
 八丁堀で降りて「ふくや」というデパートの裏当たり、別に探すこともなく、「お好み村」の看板に出くわしたのだ。
 なんだか新宿歌舞伎町にありそうな雑居ビル。
 2階から4階までにお好み焼き屋が入っている。
 店舗数はあまり多くはないようだ。
 とにかく4階まで。
 エレベータを下りると、賑やかな声がするが、混んでいる店と、まったく客のいない店が極端。
 ここですんなり店を決めるのもおかしいので、3階に降りてみる。
 店舗は通路の片側に並んでいて、営業していないのが目立つ。
 奥に行くと満員に近い店があって、それが「てつ平」。
 その手前に母子であるらしいのが営業している、お客のいない店があって、面倒なのでここに決める。
 この店の名が「たけのこ」である。

 初めてなので、店のお母さんらしき人の薦めに従い。
 スタンダードなお好み焼き750円にイカを加えたものにする。
 そして生ビール。
 注文と同時、熱い鉄板に溶かした小麦粉を丸く円を描いて伸ばしていく。

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 なかなか鮮やかな手並みである。
 そこにせん切りキャベツ、もやしを乗せて、天かす、イカ、豚ロース肉を富士山のように高く積む。
 そしていきなりひっくり返すのだ。
 たぶん、底に豚肉、そしてイカ、もやし、キャベツの順で天に平たいお好み焼きの本体がのる。
 なんと関西でお好み焼き本体と見受けられる部分は、ひらひらした菓子箱の紙ほどでしかない。
 ここで暫し、焼くというよりも野菜部分は蒸されている状態にある。
 ほどなく、お好み焼き本体の脇で目玉焼きを焼き始める。
 目玉焼きだと思ったらいきなりグジャリとするする潰されたので玉子焼きだろうか?
 かたわらではいつの間にか焼きそばが作られており、卵焼きの上にのせて、そこにどっこいしょと本体を乗せて、またまた暫し待つ。
 最後にまた天地返しをして出来上がりだ。

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 目の前のあまりに大きなかたまりに、とても食べられそうにないと思った。
 本日は、すでにいろいろ食べた後なのだ。
 圧倒されつつ、コテを差してみる。
 サクっと入る。
 生地の部分は薄く、ほとんど野菜と肉イカ卵のミルフィーユなのだ。
 おお、うまいではないか。

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 もやしも、キャベツ、焼きそばも生地も思った以上に一体感がある。
 そこに香ばしい香りがあるのだけど、これは卵焼きから漂ってくるものらしい。
 肉野菜イカいためを食べているような、焼きそばを食べているような、全体的にはお好み焼きなんだな、という不可思議な物体がソースの味わいでよくまとまっているのだ。
 この「不可思議なまとまり感=広島風お好み焼き」らしい。
 そう言えば、絶えてなかったことだけど、やっぱりお好み焼きは生ビールなんだな。
 お母さんと、現首相が「いかに●●であるか」、また「近所のふくや」というデパートは原爆投下あとにもっとも早く営業を開始したのよ」、そして「戦後すぐのころから、このへんにお好み焼き屋さんが集まって来たのよ」なんてことを聞くともなく聞く。
 テレビ画面には“七色仮面”が出ている。
 何故だろう、なんて考えていたらとても物憂い気持ちにもなってきた。

お好み村
http://www.okonomimura.jp/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/

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 卸売り市場というのは鮮魚、精肉、青果などの生鮮品と、惣菜という加工食品のふたつの分野が同居しているところ。多摩地区などでは個人商店が店に並べる総てがここに揃っている。この惣菜の仲卸には昔ながらの定番的な存在が数々あって、「イシイのチキンハンバーグ」もそのひとつ。
「マルシン(ハンバーグ)とおんなし棚に並べるんじゃない。スーパーやってる人は必ず一箱持ってくよ。注文も多いし、ミートボールもあるよ。どっちも古いね」
 仲卸のユキちゃんの解説。そう言えば、どこの惣菜屋(仲卸)にも置いてある。1か月保つというので一箱買ってみる。

 千葉県船橋市にある石井食品は戦後に生まれた会社。仲卸に聞くと、チキンハンバーグで有名だと言うから肉関連なのかと思ったらもともとは佃煮屋さんなのである。それが1973年にチルドの「チキンハンバーグ」を「作ってから大きくなったんだろう」と仲卸では思われているようだ。とにかく「イシイのチキンハンバーグ」は惣菜関連の仲卸にはなくてはならない存在であるという。

 持ち帰ったら家人がいきなり、
「イシイのおべんとうクン、ハンバーグ」
 歌い出した。これはよく耳にするコマーシャルソングではないか? 考えてみたらテレビかラジオから常に流れてきている。そして家人が昼食用に太郎に残りご飯をチンと温める。かたわらには沸騰したお湯にチキンハンバーグ。カレー皿にご飯、そこにいきなりハンバーグをソースごとのせるのだ。ついでだからボクにも用意してもらったらこれがなかなかいける。
 トマトが入っているようで酸味のあるソースには甘味があって濃厚だが優しい味わいだ。その上、ハンバーグにちゃんと鶏肉の旨味とジューシーさがある。これは子供が大好きな典型的なもの。

 この定番的な商品、市場仲間に食べたことがあるのか聞いてみる。すると60歳を筆頭に全員「なつかしいな」という。
 山梨の高校(太陽学園って言ってるけど、それ本当にあったんだろうか?)に通っていたという寿司屋のオヤジ(45歳)は
「お弁当にはよく入っていたよ。半分ね。おんなし会社のミートボールもあったな。それと魚肉ソーセージを焼いたヤツ。昔の弁当箱はおかずとご飯が別々だっただろ。そのおかずの方じゃなくてご飯の方に(ハンバーグが)入っていたんだ。それをストーブで温めるの。ウチは代々店(実家がスーパー)やってるだろ。お袋なんか料理作らないで、こういうのをドカっと入れてくれる。(学校では)むしろうらやましがられたな」
 八百屋のオヤジ(コイツ40歳前後?)は、
「この家業やってると、朝忙しいだろ。おやじは“やっちゃば”だし、だから子供の頃は朝自分で作ったよ。母ちゃんがご飯と、みそ汁を作ってくだろ。そこにこれがあると妹もオレも贅沢って感じでさ。マルシンハンバーグよりも高かったんじゃない。やっぱ贅沢って思ってたね。そいで八百屋だから漬物があるだろ。懐かしいね。朝にご飯っていうことがさ。今はパンだもん」
 魚屋(仲卸)の若い衆は今でも手が空いたときにこれを「食ってる」という。
「あの、サトウのご飯っていうのあるでしょ。それにレトルトのカレーとハンバーグをかけるの。これはうまいっすよ。オレは朝はカップ(ヌードル)よりは飯だから」
 市場の片隅でカップヌードルで朝飯というのはよく見かける光景だ。確かにそれよりも何倍か健康的に思える。

 一箱買ってきたら、それ以後我が家でも定番的なものとなっている。1個100円前後だろうから、決して安いものではない。でも慌ただしい朝ご飯のときや、子供が腹減りのときには便利極まりない。
 これなどスーパーの片隅の優れものといった存在だろう。
 
石井食品
http://www.ishiifood.co.jp/

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 八王子綜合卸売センター『フレッシュフーズ福泉』にはときどき不思議なものがくる。本来塩干、冷凍食品、お総菜の仲卸なのだけど、店主のフクさんが若いということもあり、「アレレ?」とか「面白い!」なんて感心するものが並んでいる。

 本日の“珍しや!”は「横手焼きそば」というもの。秋田県横手市といえば一度だけ行ったことがある。石坂洋次郎が好きなので記念館に行ったり、みそ醸造所を見つけてたっぷり買い込んだり。そして、あの町ではなにを食べたのかな? 思い出そうとするがまったく記憶にない。これを2袋買い込んで、「そうか焼きそばが有名だったのか」なんて改めて思うのである。それでネットなどで調べると、この「横手焼きそば」というのに特徴らしいものが見あたらない。あえて言えばソースが薄口だというくらいか?

 さて焼きそばのルーツとはなんだろうか? 関西では明らかにお好み焼きの一種、すなわちお好み焼き屋の品書きのひとつという認識がある。お好み焼きは1948年にオリバーソースが初めてトンカツソースを作ってから現在の形になったもの。だから焼きそばも戦後になって出来たのだと思う。ちなみにボクが初めてお好み焼き屋に入った1960年代には徳島県貞光町にもたくさんのお好み焼き屋があったものだ。そこには「うどん焼き」はあったが「焼きそば」があったのかが記憶にない。確か1960年代後半、東浦に「新田」という店があってそこで初めて「焼きそば」を食べた記憶がある。そこで使っていたのもどろっとしたトンカツソースらしきもの。どう考えても基本的には焼きそばには濃度の高いソースを使うものなのだ。だから確かに薄口ソースを使うというのは珍しいのだろうか? でも一般家庭では焼きそばに薄口ソースというのは珍しくない。そうすると「横手焼きそば」というのものの個性は弱々しい。

「横手焼きそば」というものの特徴がつかめないまま。林泉堂の「あつあつ亭の横手焼きそば」の袋を破くとクチナシで黄色く染まったゆで麺とゆるゆるの薄口ソースが入っている。あとは肉とキャベツを炒めて作るだけだから、ソース以外はまったく普通の焼きそばである。でも家庭で焼きそばを作るときにいちばん失敗するのが焼き加減では粉っぽくなること。それが、このゆるゆるのソースを焼いた麺に搦めながら炒めるとまったく粉なっぽさが感じられなくなる。つまり作り方が濃度の高いソースを使うものや粉末のものより簡単なのである。そしてこのソースだが甘さが控えめながら、なかなか酸味も旨味もスパイスも程良くうまいのである。当然出来た焼きそばもうまい。これは一人っきりの夕食やお昼ご飯には満足感もあり、もってこいだ。

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 これで卸値からすると定価が2食で300円前後とすると林泉堂という麺の会社はなかなか優秀ではないだろうか? そうか横手は麺どころだったのか?

やきそばの街横手
http://www.yokotekamakura.com/12-yakisoba/F-ATTEN.htm
林泉堂
http://www.rinsendo.com/default.htm
オリバーソース
http://www.oliversauce.com/profile.htm
八王子魚市場に市場に関しては
http://www.zukan-bouz.com/zkan/sagasu/toukyou/hatiouji/hatiouji.html

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 これは決してボクにとってのB級グルメではない。我が家の子供たちの、しかも現在進行形のB級グルメなんである。そして本当は「一休さん」ではなく「さるかに合戦」が子供たちのお気に入りなのであるけど、ともかく同じシリーズ商品なのでボクにはどっちでもいいのだ。今回のは「さるかに合戦」がなくて、じゃあ「一休さん」でもいいだろうと思って買ったら、子供たちから猛反発を食らってしまった。生意気な子供たちめ。結局「一休さん」だって「すきすきすきすき、すきすき、一休さん」と唄いながら全部食べてしまったくせに。
 さてこの「やま磯」のある広島県は海苔や小魚を使った加工食品メーカーの多いところのようだ。前回の三島食品もそうだが、関東ではともに人気がある模様。だから八王子を始め、三多摩地区のスーパーではどこにでも置いてある定番商品となっている。
 そして「やま磯」が作る“昔話しふりかけ”、不思議なことに「一休さん」と「さるかに合戦」をよく見かけるが、他の2種を見かけることがない。ちなみに「一休さん」は海苔と玉子、「さるかに合戦」は海苔と胡麻である。「一寸法師」は小魚が「金太郎」はカツオとよく見ると基本は海苔にあるようだ。それで「やま磯」のホームページを見ると、この会社、本来は海苔のメーカーなんだというのがわかる。
 でも海苔玉で「一休さん」というのはキンカン頭が玉子を思わせる? 「一寸法師」だから小魚、カツオという勇壮な魚で「金太郎」もわからなくもない。じゃあどうして「さるかに合戦」にカニが入っていないんだろう? 理解できない?
 これは蛇足だが、この“昔話しふりかけ”の容器がとても二次利用しやすいすぐれものである。我が家ではちょっとした常備菜などをここに入れているし、八王子名物「魚茂」のイカの塩辛の容器にもなっている。味とは関係がないが、これも重要なことではある。

やま磯 広島市安芸区矢野新町2丁目3番12号
http://www.yamaiso.co.jp/

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 市場の惣菜などを売る店は楽しいのだ。買い物をしなくてもついついのぞきたくなる。そこには明らかに古くからの定番的なお総菜があってそこに数々のドラマや歴史がある。「ケンちゃん餃子」もそのひとつ。
「今日はケンちゃん餃子ないの?」
 不安そうに聞くと
「これ絶対売れるね。だから毎週持ってきてるわけよ。だから売り切れるのも早いんだ。欲しいんなら、予め取っておいてって言えよ。バカだな」
 八王子綜合卸売センター「ユキ水産」のユキちゃんが、“うざったいオヤジだな”とでもいうような目つきで言うのだ。
 バカは余分だが、残念ながらその日には焼いていない生しかなかったのである。
 生でもいいのだけど我が家で購入するのは焼いたヤツ。これをほんの数分フライパンで焼き直すというのが手軽で便利。困ったときの「ケンちゃん」と言った感じだ。これが大きさのちょうど良くて、焼き加減も中身の味わいもいい。美味なのである。下手な中華料理屋より「ケンちゃん」の方が上だ、といっても過言ではない。
 市場仲間でも「ケンちゃん」大好きというヤカラは多い。そのなかに「小学校の頃よく食ったよ」と言うオヤジがいた。おかしいなオイラよりも年上かと思っていたら。この「ケンちゃん餃子株式会社」の創立が1970年であって、年勘定が合わない。
「ひょっとしてアンタ30代だったりする」
 と聞くと首を一生懸命に縦に振っている。お前老けすぎだ! こんなことで自分の年老いていくのを自覚させられたらたまったもんじゃない。でもそんなつまらないことなんてどうでもいい、とにかく昭島生まれの居酒屋のオヤジにとって子供の頃から慣れ親しんだ「味」なんであることだけは確かだ。
 そして肝心のどうして「ケンちゃん」なのかと思ってホームページの「会社概要」を見てみると簡単にわかってしまった。そこに「ケンちゃん」がいたのである。「な〜んだ」なのである。知りたい方は勝手に見て欲しいホームページを。

ケンちゃん餃子
http://www.ken-chan.co.jp/kenchandownpage.html
八王子総合卸売協同組合「ユキ水産」に関しては
http://www.zukan-bouz.com/zkan/sagasu/toukyou/hatiouji/hatiouji.html

 ボク一人だとまず買わないものに地域限定食品というのがある。静岡でいえば「おでん」なら疲れたお父さんにはもってこいの代物だが、カップラーメンに至っては普段でも滅多に口にしないし、買っても家族の要望に応える形である。そのために今回のカップラーメンも家人の買い求めたもの。場所は静岡県沼津市のサークルKというコンビニ。魚市場に向かう道すがらボクが梅のお握りを買っている間に既に家人はこれを6つ抱えてレジに並んでいた。
 その1個だけを分けていただき慌ただしい日のお昼ご飯に食べた。改めて考えてみると、この手の具材、スープ、チャーシューなどがバラバラに入っているなんて面倒なカップラーメンは嫌いなのであった。時間がないから食べているのに、まず麺以外のものを取りだして、具材、粉末スープを入れて熱湯をそそぐ、そして4分待ち、今度はもう一種類の液体スープを加えて、チャーシューをのせるなんて「やってられないのだ」。それでも我慢して出来上がったものは確かにカップヌードルよりはうまい。
 驚いたことにスープは下手な中華料理店よりうまいし、麺も鹹水少な目の白っぽいストレートなものでこれもいい。でも278円ってカップラーメンでは高くないだろうか? これなら八王子ラーメンの名店が400円なのだから無理しても自転車をこいで食いに行く方がいいな。
 と、改めて「どうしてこんなもの静岡で買ったんだろう?」と家人に聞いてみた。すると地域限定が好きなのもあるが、静岡で暮らしたことがあり、テレビ静岡が好きだったのだという。カップラーメンをテレビ局が作っているんだとビックリして、新しいカップラーメンを取りだしてみると。「くさデカ」というのはテレビ静岡の番組なのだ。そこで県内のラーメンランキングをつのりその一位になったのが浜松市の「ラーメン竜」と言う店。その店のラーメンを東洋水産、サークルKと組みカップラーメンで再現したものなのだという。
 これは面白い企画である。テレビ静岡がコンビニとコラボレーションするのも悪くはない。でもここでちょっとだけテレビ静岡にお願いしたいのは、できればコンビニではなく個人商店だけで売るとかして疲弊している街の活性に繋げたらもっとよかったと言うこと。今時、地域の商店を押し倒すように増殖しているコンビニと繋がっても「どこでもやっている在り来たりのこと」だろう。地方テレビ局ならもっと地域のことも考えろ! と言いたいね。

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 静岡で「静岡おでん」の缶詰を買ったら、こんどは八王子のコンビニで「銚子風おでん」缶詰を見つけた。「静岡おでん」のインパクトの強さから期待して購入した。でも残念なことにどこが「銚子風」なのかさっぱりわからない。具は練り製品に大根、ニンジン、コンニャクと困惑するほどありきたり。大根に爪楊枝が刺してあるのが特徴なのだろうか? 味わいはいたって平凡。缶詰なのにここまで平凡な味わいであるのが凄いと言えば凄いのかもしれない。
 また商売としては「銚子風」というのはうまいと思う。確かドラマのヒットと共に銚子で生まれたのがサバカレーであって、本来ドラマに使われた工場は「川岸屋水産」というところ。それなのにドラマに合わせるように「信田缶詰」がサバカレーを作りだしている。その意味合いでもこのメーカーの抜け目のなさ「商機をつかむ」努力を感じる。ボクはこのような会社は好きなんだな。

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信田缶詰 千葉県銚子市三軒町2番地1号
http://www.fis-net.co.jp/shida/

 まず最初にお断り。「ふりかけ」というものが水産加工品なのか、それともインスタントなもしくは手軽なB級食品なのか少々迷ってしまった。それで「ふりかけ」のは高菜漬けや卵なども使われること、また「お茶漬け」との共通点が多い点、また瓶詰め、袋入りが多いことからしてB級食品に含めることとした。
 また「瀬戸風味」を発売している三島食品には「楠苑」という加工食品、とくに「ふりかけ」に関する資料館まであるという。それによると加工食品としての「ふりかけ」の歴史は浅く熊本の「御飯の友」が大正初期を嚆矢としている。そして丸美屋の「是はうまい」が大正14年、広島もやや遅れるが昭和「露営の友」を昭和9年に発売している。

 さて三島食品の「瀬戸風味」のこと。八王子の食品商社である総市商事部にはこのような加工食品に詳しい人材が多い。その古狸に勧められたもの。彼、古狸君は加工食品を扱って40年になるというが、それほど昔からある定番商品であると言う。
 これを持って市場を歩くと、意外に反響があるので驚いた。数名のぼうずコンニャク同年輩とおぼしきオヤジが「これ懐かしいな。子供の頃から(実際に何年頃かわからないらしい)あったんだよね。昔の母親の手抜きってヤツ」とか「これのりたまより好きだ」という寿司屋まで千差万別。
 発売もとの三島食品は創業は1949年と新しいが「ふりかけ」では老舗であるという。
 さて、さっそく残りご飯を解凍してサラリパラリと振りかけて、ぐぁっしいいと一気に食ってみる。香ばしいかつお節、海苔の風味、これはうまい。そして食卓に置いておくと1瓶が4日くらいでなくなっている。これは子供達にも好評であるということだ。
 さて、この瀬戸風味、ぼうずコンニャクの子供時代は見ていない。でも地元広島では有名なんだろう。

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三島食品
http://www.mishima.co.jp/

 市場仲間のスーパーに行ったとき、惣菜や加工品の棚に懐かしい「マルシンハンバーグ」の文字を見つけた。「これまだ売っているんだな」と店主に聞くと、「これは今でもよく売れるんだよ」という。じゃあ2,3個買って帰ろうかなと聞くとなんと「売り切れ」だった。
 この店で気がついたのはマルシンハンバーグを肉やハムなどのコーナーではなく、魚肉ソーセージや惣菜のコーナーに置かれていたこと。そして市場で探すと、やはり肉関係の店にはなくて塩干、惣菜などを置く仲買の店にあったのである。

「不思議だな。肉製品でも惣菜関係で流通するのと、明らかに食肉関係の店で流通するのがあるんだね」
 こんなことに感心していたら、
「バカだな、塩干・惣菜を売る店ではね。加工品はなんでも扱うわけよ。逆に生鮮品は扱わない。それにマルシンフーズは餃子もあるし、どう見ても惣菜メーカーなんだよ」
 仲卸なので1箱(10個入り)単位である。卸値からすると1個100円前後となる。そして翌日1箱持ち帰り、箱から出てきたのが昔ながらの紙(?)で包装されたもの。この紙に印刷された「みみちゃん」というのも懐かしいな。

 マルシンハンバーグを初めて買ったのはもう30年以上前のこと。世田谷駒沢交差点そばの西友で姉と買ったんだった。
 上京してきて三軒茶屋で机や椅子、洗面器、箒などを買って、弦巻の四畳半一間のアパートがやっと住まいらしくなった。鍋釜、食器などは実家から届いていて、気が付くと夕方近い。そして本当に初めての自炊というときに出くわしたのが「マルシンハンバーグ」なのだ。
 初めての食料品の買い出しというのは思った以上に大変なもの。姉が付いてきてくれたとはいえ、想像以上の大荷物となってしまった。そこに姉がこれは便利だからと言って2つ薄いビニール袋にいれてカゴに入れた。そう言えばこの薄いビニール(?)の袋に自分で野菜などを入れるというのもこのときが初めて経験した。

 このマルシンハンバーグ、袋から取り出すと表面に白くラードがへばりついている。フライパンを熱すると油を引かないでそのまま焼ける便利なものなのだ。ご飯を炊いて、後はマルシンハンバーグを焼くだけという簡単な食事が18歳、一人暮らし一年目の定番になったのは言うまでもない。当時いくらだったのだろう? これで夕食というのが少し贅沢な気がしていたのだ。

 さて、ほぼ20年以上食べていなかった、マルシンハンバーグだが、思った以上にうまいのだ。豚鶏牛と3種類の肉が混ぜ合わせてある。そこに工夫があるのだろうか、焼き上がりが軟らかく、子供達にも人気上々。遅く帰ってきた一人っきりのお父さんの夕食にもぴったりかも。
 昔はこれにソースをかけて食べていた。太郎はケチャップを山盛りにしている。そう言えば、これに醤油をかけていたヤツがいたな。アイツどうしているんだろう?

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マルシンフーズ
http://www.marushin-foods.co.jp/
●これは一部書き直して「お魚三昧日記」から移したもの。コメントいただいた方のはごめん、ごめん

 2005年9月に新潟に行った。しかも日帰りで行ったのである。その上、ぼうずコンニャクの旅は忙しくて、全開で動き回るのだ。いっさいの行楽気分はなく、あるのは探求心だけである。そんな新潟の旅の帰り道に立ち寄ったのが信濃大町市アップルランドというスーパー。このスーパー、なかなか凄い。私、へそ曲がりオヤジが見ても凄いのだからいい店舗としかいいようがない。「こんな店舗を作るやつあーやるじゃネーか」と感心しながら、帰宅した後の算段をする。夕食をどこかで食べるために熟睡している子供達を起こすよりも、食べ物を買って帰った方がいい。
 そこで見つけたのがこのラーメンとソバ。カップに麺と具、そしてスープが入っている。すなわち慌ただしくハードな日に食器も汚さないでそれこそ「お手軽」に食べられる。そして、このそばもラーメンもうまかったのだ。カップに麺を入れて熱湯を注ぐ。そして湯を切り、こんどは液体スープを入れてまた熱湯を注ぎ具を入れて出来上がり。この間3分もかからない。それでいて、充分にうまい。子供なんか「すっげえうまい」なんて過剰に感激している。本当にお手軽で味がいい。とてもお湯をかけるだけとは思えない。
 このうまさはどうも味造りのセンスのあるメーカーによると思われる。長野県茅野市の『原田製麺』えらい。

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原田製麺 長野県茅野市米沢植原田36 フリー0120-27-2442
『お手軽そば』239円、『お手軽ラーメン』281円(2005年)

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