B級グルメ・B級食品: 2007年3月アーカイブ

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 八王子綜合卸売センター『フレッシュフーズ福泉』にはときどき不思議なものがくる。本来塩干、冷凍食品、お総菜の仲卸なのだけど、店主のフクさんが若いということもあり、「アレレ?」とか「面白い!」なんて感心するものが並んでいる。

 本日の“珍しや!”は「横手焼きそば」というもの。秋田県横手市といえば一度だけ行ったことがある。石坂洋次郎が好きなので記念館に行ったり、みそ醸造所を見つけてたっぷり買い込んだり。そして、あの町ではなにを食べたのかな? 思い出そうとするがまったく記憶にない。これを2袋買い込んで、「そうか焼きそばが有名だったのか」なんて改めて思うのである。それでネットなどで調べると、この「横手焼きそば」というのに特徴らしいものが見あたらない。あえて言えばソースが薄口だというくらいか?

 さて焼きそばのルーツとはなんだろうか? 関西では明らかにお好み焼きの一種、すなわちお好み焼き屋の品書きのひとつという認識がある。お好み焼きは1948年にオリバーソースが初めてトンカツソースを作ってから現在の形になったもの。だから焼きそばも戦後になって出来たのだと思う。ちなみにボクが初めてお好み焼き屋に入った1960年代には徳島県貞光町にもたくさんのお好み焼き屋があったものだ。そこには「うどん焼き」はあったが「焼きそば」があったのかが記憶にない。確か1960年代後半、東浦に「新田」という店があってそこで初めて「焼きそば」を食べた記憶がある。そこで使っていたのもどろっとしたトンカツソースらしきもの。どう考えても基本的には焼きそばには濃度の高いソースを使うものなのだ。だから確かに薄口ソースを使うというのは珍しいのだろうか? でも一般家庭では焼きそばに薄口ソースというのは珍しくない。そうすると「横手焼きそば」というのものの個性は弱々しい。

「横手焼きそば」というものの特徴がつかめないまま。林泉堂の「あつあつ亭の横手焼きそば」の袋を破くとクチナシで黄色く染まったゆで麺とゆるゆるの薄口ソースが入っている。あとは肉とキャベツを炒めて作るだけだから、ソース以外はまったく普通の焼きそばである。でも家庭で焼きそばを作るときにいちばん失敗するのが焼き加減では粉っぽくなること。それが、このゆるゆるのソースを焼いた麺に搦めながら炒めるとまったく粉なっぽさが感じられなくなる。つまり作り方が濃度の高いソースを使うものや粉末のものより簡単なのである。そしてこのソースだが甘さが控えめながら、なかなか酸味も旨味もスパイスも程良くうまいのである。当然出来た焼きそばもうまい。これは一人っきりの夕食やお昼ご飯には満足感もあり、もってこいだ。

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 これで卸値からすると定価が2食で300円前後とすると林泉堂という麺の会社はなかなか優秀ではないだろうか? そうか横手は麺どころだったのか?

やきそばの街横手
http://www.yokotekamakura.com/12-yakisoba/F-ATTEN.htm
林泉堂
http://www.rinsendo.com/default.htm
オリバーソース
http://www.oliversauce.com/profile.htm
八王子魚市場に市場に関しては
http://www.zukan-bouz.com/zkan/sagasu/toukyou/hatiouji/hatiouji.html

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