2006年9月19日アーカイブ

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 荒川区町屋は都営荒川線、京成、そして地下鉄と3つの鉄道が交差する。それでは賑やかなところか? というと、ちょっと違うような不思議な街である。北千住の足立市場の帰り道、町屋の駅周辺で立ち食いそばの店を探してやっと見つけたのが「八起」である。町屋の駅周辺は今時のおバカな設計者がデザインしたとおぼしき無味乾なビルがどんどん浸食してしまっている。そして昔ながらの街並みがこれまたどんどん消えていっているのだ。「八起」はそんなビル群の一角に張り付いている。
 入って右が食券、左にカウンターがある。厨房にはなかになかなか味のある、にこやかなオバチャンたちが陣取ってボクが食券を買うのを視線で追っているのを感じる。
 券売機で食券を買うのは本当に苦手である。だいたいボタンを押した途端に失敗したなと思う。でもこの店には天ぷらそば・うどんに「お好み」というのがあるのだ。これはとても親切だ。360円だったかな、これを選択するとカウンターで好きな天ぷらを選べるのだ。カウンターのケースにはかき揚げ、春菊や竹輪てんなどがあり、ちょっと考えて見栄えの悪いイカげそのかき揚げにする。このかき揚げは自家製のようだ。
 一軒志野風の丼に入って出てきたものは。出汁はやや甘めならが、旨味もあり、まずくはない。そして意外にさっぱりしている。残念ながらうどんは普通というか、いかにも立ち食いですといった腰のない在り来たりのもの。そこに見栄えの悪いいかげそのかき揚げがのっているのだが、なかなかこれがうまい。

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 食器をカウンターに戻すと下町風のオバチャンが枯れた笑顔を作ってくれた。ちょっとこれが恐いようでもあるが「八起」はときどき立ち寄ってもいいかな? という店である。
●コメントをいただいたアバタノオジサンには申し訳ないが「お魚三昧日記」から移動しました

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