南浦和の駅は武蔵野線、京浜東北線が交差するところ。駅の長い通路はこの単純な乗り換えのためにあるのだろうか、人の流れが左右整然と行き交う。突然の浦和への旅に朝から何食べていないので、この味気ない通路で立ち食いそばの店を探す。と、改札口の側に発見したのがこの店。なんと通路に張り付くようにある。ガラス張りの向こうにはやたらにゴッツイ体格のオバサンがいる。まるで「浦和の女をなめたらいかんぜよ」といった迫力を感じて恐い。
気温は摂氏30度を超えて非常に蒸し暑い。改札を通る人の邪魔にならないように食券を買う。とても熱いそばをふーふーと言う気になれないので埼玉らしく「ぶっかけうどん」というのに決める。うどんだけでは寂しいのでなめこをトッピング。
待つこと暫し、ガラス張りの中ではオバサンが茹でたうどんをせっせと水道水で洗っている。そしてどんぶりを渡されたのはいいけれど、このオバサンの前で食べるのも味気ない。見回すと脇に細長いテーブルがあり、そちらでそばをすする人がいる。このテーブルがまた「どうしてここにあるんだ」というほどに唐突な感じがする。
そして「ぶっかけうどん」なんだけど、めんが細くて、ほんの少し腰がある。でも麺自体の味は普通だな、立ち食いとしては。埼玉のうどんという矜持はゼロ。そしてそばつゆらしきものがかかっている。これはやや甘口だが「立ち食いなんだから文句言うな」といったものだ。
南浦和でかのろくでもない日本食堂系列の「あじさい」なんてものではない店舗を見つけて期待したが「冷やし」に関しては失望した。こんどはありきたりにかき揚げそばでも食べてみるかな。
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墨田区業平橋「ときわ食堂」