業平橋の「ときわ」でいろいろうかがって、下町に多い「ときわ」という食堂の由来に興味を持った。そして業平橋「ときわ」で教えてもらったとおりに業平から十間川を渡ると文花、そこに文花「ときわ食堂」がある。この業平、文花、京島という街並みは下町でももっとも楽しい無駄歩きコースである。
十間橋を渡り最初の十字路の東南の角近くに「ときわ食堂」がある。今時珍しいほどに品のない色合いのビルの一階。間口一間、入ると一間半ほどの幅の店内。テーブル席が並び、入って右手上にテレビ、右手壁に品書きの黒い板が並ぶ。そして奥が厨房である。
右手の品書きにはオムライス、チキンライス、定食やモツ煮込み、一品料理が並んでいる。迷っていたら店主らしい男性が奥に今日の定食がありますと言うので「豚かつ定食760円」にする。店内には遅いのか、早いのか、定食を食べる女性。テレビ画面には水戸黄門。
やや待って出てきたのが見事なものであった。思ったよりも大きなトンカツ、サラダがあって、小鉢に助子の煮付け、ワカメのみそ汁、漬物。この助子というのはご存じ、たらこの原料であるスケトウダラの卵巣。市場ではこれが出始めている。それを薄味の甘い汁で煮付けている。これがまことにうまい。これだけでもご飯一膳はいけそうだ。そこにやや大きめ柔らかく芳醇なトンカツなのだから幸せだな。
まさに見事な定食である。あんまりうまかったので「ときわ」の由来はあまり聞けなかった。
でも「ときわ」となったのは先代の女将のとき。どうも浅草「ときわ」の親戚筋にあたるという。
ときわ食堂 東京都墨田区文花1丁目1-5
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