北区十条の商店街はまことに活気があり、歩いていて楽しい。その上、夕暮れどきともなれば、かの「斎藤酒場」が待っているのだから“街歩きと、軽くいっぱい”がセットになったボクの大好きな無駄歩きコースのひとつになっている。
そんな十条で酒をのむ前に、ちょっと腹ごしらえというので入ったのがこの店。何度か歩いてみて、十条にはうまそうな定食屋などはあるものの、軽く食べる店がなかなか見つからない。さっぱり系の、できれば東京ラーメンといったものを探して行き着いたのがここなのである。しかも値段が手もみ麺で380円!
この『福しん』、オヤジとして入りやすいのと、入り難いののちょうど中間の店構え。「福しん」の文字が今風に変に遊んでいないのがいい。実際に入ると非常に狭い。面白いのは客席と従業員のいる内側・床面の高さが同じであること。座ると従業員のお姉さんを見上げる形になる。
そう言えば、板橋にも「手もみで380円」という『新しん』という店があった、関係あるんだろうか?
待つほどもなく、いたって平凡な、ボク好みのラーメンがきた。やや濁りのある醤油系のスープ。麺は中くらいの縮れたもの。チャーシューの上にメンマが散らばって、その上に海苔と貝割れ菜、どことなく投げやりな造りだ。またラーメンに貝割れ菜というのは、どう考えても合わない。これなど「野菜もとらなければダメよ」という下町人情の現れなのだろうか? でもこの店はどう見てもチェーン店だ。(後でホームページを見たら池袋を中心に展開することが判明)
さて、せわしなくすするスープがやや甘い。濁りを見て予測できたものだが、どこか、しっかりしない味わい。ここに中太麺がくると余計に味が惚けて生ぬるく感じる。加うるに具が薄い味付けのメンマやこれまた薄いチャーシューであるから、けっしてうまいものじゃない。
これは同じ「380円」でも板橋の『新しん』の方が明らかに上である。先に『新しん』に行かなければ、これで充分に満足できたかも知れない。なにしろ380円なんだから。
店を見回して気がついたのは、ラーメンを食べているのがボクだけだということ。しかもお隣のレバニラ炒めがうまそうだ。入り口近くアールになったところの女子高生もご飯とショウガ焼きかなんかを食べている。ほどなくオバサンふたり、レジ袋をいっぱい下げてさがさせながら入ってきた。そして注文したのが麻婆豆腐、餃子。またまたレジ袋を下げたお婆さんがご来店だ。そのお婆さんはチャーハン。どうもこの店、ラーメン店というよりも中華料理店である。世田谷や多摩地区ではこの手の店にオバサンや主婦が入ってくるのは珍しい。よく見渡すと主婦、若い男性客、高校生と客層がバラバラである。これなど店の持ち味なのだろうか? それとも十条という街の持つ特徴かな?
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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大分みどり農業協同組合「かぼすこしょう」
ふくしんはチェーン店です。
http://www.fukushin.info/index.html
某新興宗教系という噂を聞きます。
客層は十条の持つ味かなと思います。
商店街でお店をやっている方もよく利用するそうです。
十条だと、昔からやっていた店がいくつか閉めたばかり。秋林か大吉飯店がお薦め。
syo-takuさん、新興宗教というのはこわいですね。そうではないことを祈ります。
また秋林、大吉飯店にも行ってみたいと思います。