倉敷酒津榎窯 武内作品と新たなる戦い

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倉敷市酒津榎窯武内立爾作

 今回の長旅の締めくくりは岡山となった。当然といっては我が儘な話となるが宿泊は倉敷は酒津の武内家となる。
 そして前回と同じ布団を敷いていただいたのが陶器が置かれた部屋であり、今回、初めて感じたのであるが、作家ものの器というのは、夜明け前に一瞬、生命を得て、話しかけてくるのだ。

 まだ明けやらぬために蛍光灯の光で見る器は、青ざめて見えるが、その存在感が言語となって放出されてくる。いくつかの器が、「ぼうずコンニャクさんのところに行きたいわ」とささやいているのだ。
 そこで黙然と布団の上に座り込んで、じっくり武内作品と対話する。ボク好みの、また魚貝類を撮影するのに、欠くべからざる面々が机に上に並ぶ。この器が我が家に来ると、明らかに撮影する魚貝類の色彩、また表情が変ぼうして、ボクのカメラ人生も変わるだろう。

 我が儘至極であるが、友と見込んで武内さんに「この子達を連れて帰りたいなー」とお願いする。
 武内さんは「この子達が行きたいと思ってるんだからどうぞ」と快くうなずく。
 どうやらボクが単に器が「欲しい」と思っているわけじゃない、というのがわかってくれたようだ。
 武内さん、アンタは偉い!

 ほどなく届いた、器に、既に何度も戦いを挑み、ときに負けて、ときに勝つ。なんという楽しい時間であることか。
 この器を作り出した、生みの母である、武内さんに感謝。
 これからは、この器たちの父親として、心して生きていかねばならぬ。

 そう言えば、武内さんが生みの母で、ボクが育ての父なら、我々は夫婦と言うことになる。ちょっと気持ち悪いが、どうしてもそうなるんだから仕方がない。


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コメント(1)

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ぼうずコンニャク様 2月はお疲れさまでした 最高のブログネタありがとうございました これからも何時でもお待ちしております

焼物屋は器を娘に例えて いいところにお嫁にもらわれました なんて言いますがまさにこの娘たちは幸せです 幾久しくよろしくお願いいたします

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このページは、管理人が2008年2月22日 11:13に書いたブログ記事です。

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