鮨・鮓・鮓・すし: 2006年7月アーカイブ

 葛飾区立石というのは東京の下町でももっとも賑やかで楽しいところだ。40歳を過ぎて立石を知らないと一人前ではないなんて言いたいところだが、五十路を前にして初めて行ったのだから面目ない。
 さてその立石のど真ん中にあるのか「立石仲見世」その入り口の駅から見て正面右手にあるのが『栄寿司』である。角地に建ち三方引き戸に囲まれていて、どこからでも入れる。そして立ち食いなのだ。
 入ると親子のような粋な職人さん。このお二人の客への接し方がまことに気持ちがいい。入ってアルコールを注文しなかったのですぐに熱々のお茶。そして目の前の品書きからこはだをお願いする。この梅雨の時期のこはだが難しい。大きさに拘っていてはいいネタは仕入れられないし、まだ新子は高すぎる。出てきたのが「なかずみ」である。これが脂ののりといい締め方といい素晴らしい。そして立ち食いでなによりなのがすし飯の大きいこと。
 そしてシャコ、げそ、煮いかとお願いしてまさに満足至極だ。うまいので食べ過ぎる危険がある、それだけがこの店の注意点。ここで食べ過ぎると立石に数ある大衆酒場の名店を巡れなくなる。
 小腹なら4かんもあればいいだろう。だいたい2個200円から300円であるから、たっぷり食べて1000円前後。しかも握りとしては決して手を抜かない見事なものだ。
『栄寿司』は庶民にとっての名店、この店も立石の魅力を支えているのだと確信する。

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栄寿司 東京都葛飾区立石1-18-5
http://www.katsushika.co.jp/sakae/

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