いつものように、日本橋室町に散髪に行って、理髪店から出ると夕闇迫りくる時刻。いつも空きっ腹を抱えて地下鉄に下りるのだが、たまには日本橋で飯を食って帰ろうかと思い至る。懐にはちょっとした臨時収入がある。洋食がいいなと高島屋裏の「たいめいけん」を目差す。
室町から昭和通方面に歩き、すぐに路地に曲がる。日本橋の通りには新しい無粋な建物がニョキニョキ建って町歩きの楽しさがどんどん失われている。でも、路地にはいると今でも古めかしくも懐かしい建物がそこここに残る。その本町の路地に入ろうとして目の前に現れたのがこの店。店の前にエビフライとカツ1450円、ハンバーグとイカのソテー850円とあって値段も高くない。しかも魚貝類を食べてカツ、もしくは大好きなハンバーグ。これはなかなか魅力的なのだ。
この店で惹かれたのは外観のこぢんまりとして無駄な装飾が見られないこと。これが店内に入っても心やすい雰囲気で一人で入っても居心地がいい。
席につくとすぐにスポーツ新聞がテーブルに置かれた。そして生ビールの小をとりあえず頼むとえびせんとピーナッツが小皿で出てきて、ここで思い出したのだが、この店、過去に入ったことがある。絶対にある。デジャビュではない。何時来たんだろう? まさかこの店、近くの大伝馬町でアルバイトをしていた30年近く前にもあたんだろうか?
メニューを見て、やはりセットでと「ハンバーグとイカ」を注文すると今日は終わっていますとのこと。セットで残っているのは「エビフライとカツ」。ちょっと贅沢だが「えいや!」と注文する。逢魔が時の生ビールがうまい。ほどなく出てきたのがデカいエビフライとカツ。エビフライにはタルタルソース。カツにはドミグラスソースがかかっている。つけ合わせの野菜もたっぷりで見た目は見事だ。
ただ、好みの問題だがエビフライに「頭はいらない」と思う。例えばエビの頭部はコライユだけ取り除き、これをソースに使うとか、別途考えて欲しい。見た目だけ優先して頭をつけて揚げているのだろうが、ステンレスのオーバルの上でも邪魔で仕方がない。
また食事をするとして、ご飯を選んだときにカツにドミグラスというのが好きではない。ここにウスターソースがあったらいいなと切に思う。こんなとき近くの「たいめいけん」ならツバメソースがちゃんと置かれているのがありがたい。
カツも見てくれの大きいエビフライも思ったほどに満足感のないもの。これはどうもメニュー選びを間違ってしまったようだ。
帰りは日本橋を渡り、東京駅まで歩く。
レストラン桂 日本橋本町2-8-7
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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