飯能「問屋豆腐店」のもめん豆腐は真四角そしてへそつき

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 埼玉県飯能市「とんき食品」で見つけたのが真四角のさいころ型の豆腐で、これに少なからず衝撃を思えたことを書いた。では飯能の他の豆腐店はどうだろう? と改めて探したのだが当日はあいにく夏祭りの最中。うるさい姫を連れてはあっちこっち動き回るわけにもいかない。そんな祭で露店が並ぶ大通りで見つけたのが「問屋豆腐店」なのである。
 通りから10メートル近くあけて古いモルタル造りの建物がある。その建物に「問屋」とあり、上に「豆腐・雑穀・食用油」の文字。どこにも屋号がなく、店の奥で老婦人がふたりおしゃべりをしている。そこに姫を連れて入っていく。

「あの、夏だから豆腐を買って帰ると言うわけにもいかないんですが、ここではどんな豆腐を作っています」
 まったく変な客なのである。
「どんなって大きいよ。こんなに大きいの。ウチの豆腐は夏だって1時間や2時間じゃ腐らないよ」
 と出してきてくれたのが本当に大きな大きな「もめん豆腐」なのだ。
「じゃ1丁だけ買って帰ってみます」
 と、昔から真四角の豆腐を作っていたのか、飯能の豆腐はみんな真四角なのかを聞いてみた。
「ウチは四角いけどね」
「あの、飯能銀座に『とんき』って言う豆腐屋さんがあるでしょ。あそこが真四角なんです」
「あれはね、ここから出たの。ここの子供だよ」
 すると「問屋豆腐店」「とんき食品」の豆腐が真四角である起源はここであることになる。
「昔はね。ここは市場だったの。いろんな食料品を扱っていたわけ。今じゃ豆腐を作っているだけだけど、昔はそれは賑やかでね」
 東飯能からまっすぐ西に向かう「中央通り」は広小路から高麗横町と交差する「問屋豆腐店」のあるあたり、そして市立図書館までを「大通り商店街」という、この当たり昔は近隣からの産物を集めて市が立ち、飯能でももっとも賑やかなところであった。そんな大通りを歩く内に気が付いた。「問屋豆腐店」のように道から数メートルさがって立つ建物があって、これは昔市場が立っていた名残なのではないだろうか?
「問屋豆腐店」がその古くから続く食品加工の店であったのなら、飯能の本来の豆腐=「真四角」という
が確定的になる。ちなみにボクの豆腐屋めぐりで買い求めた「形」を検証すると神奈川は総て長方形、千葉も長方形なのである。そして埼玉では飯能で2軒、日高市で1軒が真四角である。
 さて、これから2,3時間もかけて家までたどり着く。そしてさっそく夕食にいただいたのだが、容器から取りだしてビックリした。なんと「問屋豆腐店」のもめんは「へそつき」である。これは徳島の豆腐とそっくりだ。また豆腐はまったく傷んでいなくて、晩酌のともとして全部いただきました。しかし食べ応えのあるでっかい豆腐なのだ。

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小川幸男 埼玉県飯能市仲町21-19


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このページは、管理人が2006年8月14日 13:27に書いたブログ記事です。

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