静岡のおでんというと駄菓子屋などで売れている真っ黒な汁のもの。これが実際に探そうと思うとなかなか見つからない。これをまた食べてみたいと思うようになって6年近い月日が流れている。
初めて食べたのは20年ほど前、藤枝市だと思う。焼津から島田市に戻ろうとしてカーナビのない時代であったので迷いに迷って疲れ果て飲み物を買おうとして入った店にあった。ちなみにそのとき非常に空腹だったのだ。なにしろコンビニがどこでもあるようになったのはそんなに昔のことではない。せいぜいここ10年くらいのことであり、ちょっと腹が減ったと思ったら食堂に入るしかない。そんなとき目の前におでんがあったらどうするか? 当然のごとくいっぱい食って、午後3時過ぎだというのにお腹パンパンに膨らみ、島田市の名店「かに柳」の料理もさすがにあまり入らなかったのを覚えている。
さつまあげ、黒はんぺん、卵に牛筋、みなうまかった。これでビールでもあればなといっても駄菓子屋のことで、あるのはコーラとかジュースだけ。考えてみると当時は缶入りのお茶も、当然だがペットの飲み物もなかったのだ。それから月日が経ち6年ほど前から静岡でのイルカ料理を探している。そんなときに「静岡では昔はおでんにイルカが入ってました」といったことを沼津の市場関係者から聞いた。それはどんな味なんだろうと食べてみたいと常々思っているのだが果たせないでいる。
●静岡のおでんで今でもイルカの入っているのを知っている方はご連絡いただきたい。
さてそんなときに三島市三島駅そばのセブンイレブンで見つけたのがこれである。缶ビールほどの缶に辛子がぶら下がっている。珍しいなと思って、買ってしまった。
これがなかなか静岡おでんの味わいをよく再現していてうまいのである。真っ黒な汁、出しの味わいに牛筋の旨味がよく引き出されている。中身は黒はんぺん、さつま揚げ、なると、糸コンニャク、牛筋と煮汁がよくしみてうまいではないか? これなど遅く帰ったお父さんが寂しく酒を飲むのにもってこいだ。
世の中の家族に捨てられたオヤジはみな一人寂しく「静岡おでん」を食べたらどうだろう。このときやるのは合成酒のワンカップ。煮汁も人生も、そして行く末もみんな真っ黒という統一感があっていいではないか!
2006年9月16日アーカイブ
無駄歩きで半蔵門線水天宮前で箱崎方面を霊岸島に渡る。今回の無駄歩きはただただ寛永に出来た霊岸島に言ってみたかっただけなので、ビルだらけの島で空腹感を覚えてたまたま見つけたのが「がんぎ」であるだけだ。
自動ではない引き戸を開けると自動販売機がある。肌寒いし、腹が減っていたので天ぷらそばにするべく探したが見つからない。それで「もり・かけ」というのと「イカ天」の券を買う。それをカウンターにだすと出てきたのが所謂立ち食いの「天ぷらそば」ではなく、イカ天ののったざるそばであった。
店内を見るとここは立ち飲みも出来るらしく、冷や酒400円を追加する。この冷や酒がうまい。新潟の酒だと言うが銘柄を忘れたのが残念。そしてそばなのだが、新潟県十日町市ならではのフノリの入ったもの。そばのつなぎではトロロアオイやオヤマボクチなどがあるがフノリのものがいちばん苦手なのだ。フノリは海藻の香りの強いもので、どうしてもそばの香りや味わいを殺してしまう。また、つけて食べるには表面が海藻の食物繊維でコーティングされて滑らかすぎる。でもまあよくできた麺ではないか、そしてつけ汁だが、これもなかなかいい感じなのだ。カツオ節の風味もあるし、辛口なのがいい。そばと天ぷらで400円前後、冷や酒400円で硬質な都会からいっとき逃れていられるなら安いものだと、ちょっと感動した。
今日の朝刊を読んでいたら元阪神、今はどこにいるのか興味がないからわからない野球選手が参院選に出る可能性があるという。どこから出るかというと自民党と民主党、ともに要請があるという。この2つの党はバカというか急速に知能が失われた状態にあり、まるでタコノマクラのようになっているようだ。だいたいスポーツ選手なんて存在は「物事を考えないから」なれるわけでろくなモンじゃない。地元にデカイ建物を建てて喜んでいる代議士と元スポーツ選手の代議士はゆるせないな。
ボクは自民党にも民主党にも怒りを感じて「なさけなく」見ていて「汚物を見る」ように感じている。コヤツら生きていて恥ずかしくないのか? だいたいヒットラーそっくりの戦争好きそうな安倍真三といい、弱者いじめばかりしている現首相と言い、どうして我が国には恥をしらないヤカラが多いのだ。
と怒りを頭に昇らせていたら「永六輔の土曜ワイドラジオ東京」にやまちゃん先生(どういった文字を書くのだろう)が出ていた。この人の今を、そして現実を見る目がまっすぐでいいな。大分の養護の先生でガン患者であるということだが、病気が病気であるために、ときどき出てくれると「よかった」と思う。この女性が語る言葉ひとつひとつに普段着のよさがあって、とても爽やかである。この人がいるだけで大分に住みたいと思う。これなど大分の政治家にわからないだろうな?(このやまちゃん先生がラジオなどに出ると周りの教師などがいじめるのだという。そのようなヤカラは大バカ野郎だ!)
そう言えば日本人はなぜ、普段、もしくは「け」を大切にしなくなったのだろう。オリンピックで金メダルを取るより、老齢になっても山の斜面でコンニャクイモの作付けをやめないお婆さんや、遠洋漁業で日夜働いている漁師さんの方が3万倍も見事だと思うし、松井のホームランなんて普段の生活を大切に思う目、気持ちがあってこそ楽しめるのだ。何しろスポーツはどこまでも遊びだ。生きるということからしたら「下」のものである。だいたい普段の生活と比べて100分の1の意味もない。ボクなど今の形のスポーツは国を悪くすると思っているので汚染物質を見る気分にさせられる。
そんな世界から代議士に出るなんてゆるせないな。「スポーツ選手は代議士になってはいけない」という法律を作れ!
●スポーツが好きな方のは失礼しました