藤枝市カネセイ食品の「静岡おでん」の缶詰315円

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 静岡のおでんというと駄菓子屋などで売れている真っ黒な汁のもの。これが実際に探そうと思うとなかなか見つからない。これをまた食べてみたいと思うようになって6年近い月日が流れている。
 初めて食べたのは20年ほど前、藤枝市だと思う。焼津から島田市に戻ろうとしてカーナビのない時代であったので迷いに迷って疲れ果て飲み物を買おうとして入った店にあった。ちなみにそのとき非常に空腹だったのだ。なにしろコンビニがどこでもあるようになったのはそんなに昔のことではない。せいぜいここ10年くらいのことであり、ちょっと腹が減ったと思ったら食堂に入るしかない。そんなとき目の前におでんがあったらどうするか? 当然のごとくいっぱい食って、午後3時過ぎだというのにお腹パンパンに膨らみ、島田市の名店「かに柳」の料理もさすがにあまり入らなかったのを覚えている。
 さつまあげ、黒はんぺん、卵に牛筋、みなうまかった。これでビールでもあればなといっても駄菓子屋のことで、あるのはコーラとかジュースだけ。考えてみると当時は缶入りのお茶も、当然だがペットの飲み物もなかったのだ。それから月日が経ち6年ほど前から静岡でのイルカ料理を探している。そんなときに「静岡では昔はおでんにイルカが入ってました」といったことを沼津の市場関係者から聞いた。それはどんな味なんだろうと食べてみたいと常々思っているのだが果たせないでいる。
●静岡のおでんで今でもイルカの入っているのを知っている方はご連絡いただきたい。
 さてそんなときに三島市三島駅そばのセブンイレブンで見つけたのがこれである。缶ビールほどの缶に辛子がぶら下がっている。珍しいなと思って、買ってしまった。
 これがなかなか静岡おでんの味わいをよく再現していてうまいのである。真っ黒な汁、出しの味わいに牛筋の旨味がよく引き出されている。中身は黒はんぺん、さつま揚げ、なると、糸コンニャク、牛筋と煮汁がよくしみてうまいではないか? これなど遅く帰ったお父さんが寂しく酒を飲むのにもってこいだ。
 世の中の家族に捨てられたオヤジはみな一人寂しく「静岡おでん」を食べたらどうだろう。このときやるのは合成酒のワンカップ。煮汁も人生も、そして行く末もみんな真っ黒という統一感があっていいではないか!

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静岡おでんのことは
http://www.at-s.com/html/gourmet/oden/index_b.html


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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このページは、管理人が2006年9月16日 15:38に書いたブログ記事です。

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