京成亀戸水神駅そば「水神そば」

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 亀戸無駄歩きは驟雨沛然、そして曇り空、そして驟雨沛然、まったく全身ずぶ濡れになってしまって、もう歩けないと思ったら踏切があった。そして遮断機が下りて左手から来たのが曳舟行き。踏切を渡り、もうこれ以上歩いてもなにもないらしいと、振り返ったところに立ち食いそば屋を発見した。
 しかし、その店構えのはなはだしく殺風景なこと。真冬にここを通ったら思わず避けて通りたくなるようではないか? そして引き戸を開けると、くの字型のカウンター、奥は座敷、そしてカウンターの中にはとても愛想のいいオバハンが立っていた。傘を置くと、「まだ雨が降っていますか?」と聞いてくる。その声がなんとも軟らかい。ここで天ぷらそばをお願いする。ゆったりした動作で出来上がった天ぷらそば、汁の色合いは黒く、かき揚げは自家製なのか市販のものなのかはわからない。そしてそばはやや粉っぽく、つゆは濃くて旨味に欠ける。いかにも立ち食いですといったものだが、まずいわけではない。

「ここはどうして水神そばって言うんですか」
「あれ、そこに水神様、お客さん、ここは初めてですか」
「そうなんです。亀戸駅から迷ってこちらに来てしまって」
「そこに駅があるんですが駅名も水神って言うんですよ」

 そばの脇に置かれたキュウリの漬物がうまい。
「これは私が作ったんです」
「うまいですね」

 平凡なそばだが、この5分ほどの時間がよかったのである。外に出ると雨はあがっていた。

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コメント(2)

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羨ましいですね。漢文交じりの短文、懐かしい思いで読ませていただきました。

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亀戸の東あたりを歩くと、ついこんな言葉が出てきます。

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このページは、管理人が2006年9月17日 09:08に書いたブログ記事です。

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