お茶の水駅に平行に通りがあり、丸善やレモン画翠などがある。この駅側は昔から飲食店が多く、どれもがややB級路線をいっているのだ。中にあって比較的新しく出来たのが立ち食いの『明神そば』である。緑がかった青い蛍光カンバンが目立っている。広い店内、新しいだけに清潔ではあるが、どことなく乱雑にみえる。店に流れるのは今時の流行歌である。すなわち造りからすると若い客をねらっているのだろうか? オジサンには店員の態度、店の造りとともに、どことなくよそよそしい。
店の雰囲気は嫌いでも、ここの汁、麺、天ぷらなど、すべて侮れぬもの。とてもうまい。いつもはさくっとした食感を感じる分厚い玉ねぎ中心のかき揚げを頼むのだが、このかき揚げそば、うどんなどは神田お茶の水界隈一の味わいである。そして今日の竹輪天もよろしいな〜。これでうどん玉がよければ満点という感じ。
でもここの丼の中にボクには理解の出来ない代物が入っているのはなぜなんだろう。それは大量のワカメである。立ち食い常習者の忙しいオヤジの身体を考えるとまことにありがたいのだが、個人的にはそばうどん汁にワカメは合わない。ワカメというのは温かい汁の中で風味というか味わいが強く出てくる。すると汁の中のイノシンもアミノ酸も脇の寄せてしまって「ワカメの味」が突出してくるのだ。ワカメを入れるならしっかり味付けされたものを使うとか工夫が必要だと思う。
2006年10月 7日アーカイブ
福島県楢葉町の道の駅「ならは」で買ったもの。いたって普通の優良な納豆である。中にタレ、外にゴムバンドにつけた青海苔、辛子が付いているのは手作りの感があっていい。
ボクのように偏屈極まりない旅をしていると、通り過ぎる町も「地物ならではの産物、加工品があるか?」なんてことで評価するのだけれど、「地納豆があるのか?」というのも重要なポイント。その点、絵柄が面白い「ならは納豆」は「楢葉町」ひょっとして見る価値ありか? と思わせるに充分だ。
さて、その絵柄だが、桜と鳥居、なぜか滝、この絵柄がまことに情緒があってよろしい。これはきっと楢葉町の名勝なのだろう。ここに説明があると観光客にはうれしいんだけどな。
まあ納豆をお土産に買うのも少数派であり、地元で愛されている地納豆にそこまで求めるのはおかしいかな。でもこれが1個73円は安い。
●この絵柄がどこを描いたものかわからなかった。残念だ。
ならは納豆 福島県双葉郡楢葉町大字北田字細内69 電話0240-25-2037
飯能にある農協は品揃えがいいので、必ず立ち寄る。その隣にラーメン屋があり、暖簾に「煮干ラーメン」とあるのでかねがね入ってみたいと思っていた。煮干しを使ったラーメンというのは魅力的だ。ただし、この期待が仇をなすのか実際にうまいものは皆無に近い。それでも暖簾に「煮干」の文字とは意気込みを感じるではないか。
「らんしゅう」があるのは東飯能駅からほど近く。なかなか立地条件がいい。その味のある暖簾をくぐって少々がっかりした。店の造りがダメなのだ。手前にテーブル席、そしてカウンターというのは本来は喫茶店でもやっていたのだろう。また店に漂う匂いがよくない。だいたいうまいラーメン屋は漂う匂いが違っている。これはダメかな、と思ったがせっかくだから「特製煮干ラーメン」680円を注文する。
出てきたのはデカイ板海苔4枚、真ん中にゆで卵、メンマになるとといったうるさい代物。外見からなんだか、煮干し出汁を味わう気が失せてしまう。そして一口すすってやはりがっかりした。まずくはないのかも知れない。塩分濃度、旨味のバランスも悪くない。具もやりすぎだが、人によってはうれしいだろう。でも肝心の煮干し出汁の取り方がダメだとしか言いようがない。じっくり見るとスープが濁っている。これはやや大きめの背黒イワシをしっかりワタやゴミを取り除かないでとったのだろうか? 煮干しはあまり大きすぎないのを2つ割にし、ワタや汚れを取り、できれば軽く煎ってから使うのがいい。もしくは火力が強すぎる(煮干し出汁を取るときには絶対に煮立ててはダメだ。また火が弱くても苦みが出る。当然材料を混合したときに煮干しを加えたときにも同じ)ために、苦みというか煮干しの臭みが出たのだろうか? 煮干しで出汁を取るのは非常に難しい。
この店、味わいのバランスは決して悪くない。ひょっとしてメニューの味噌ラーメンにバターなどを落とした物はうまいのではないか? なんとか食べ終わったものの後悔しきり。
らんしゅう六道店 埼玉県飯能市栄町10-20