倉敷に入って最初に目に飛び込んできたのが水である。高梁川からの水が用水路によって市内に大量に流れ込んでいる。その流れの中で遊んでいる子供達。倉敷は水の町なのだと思った。水豊かなら醸造業が盛んであるに違いない。
高梁川からの用水の取り込み場所にあたるのが酒津であり、その一角に「とら醤油」がある。この「とら醤油」の建物がいい。昔ながらの日本家屋で仕舞た屋の多い街並みにとけ込んでいる。同じ区域の陶芸家武内立爾さんのお宅にいて麹の香りが漂ってくる。倉敷で暮らす人には麹の匂いと酒津が結びついているのかも知れない。
この「とら醤油」でもいちばん普通の、「キントラ」というのを酒津のコンビニで買い求めてきた。武内さん曰く、「とら醤油」の特徴は甘さにある。と言うことだが、ボクの印象は柔らかさ、丸みである。例えば九州の醤油の甘ったるいのとも、所謂千葉県で作られている大手の醤油メーカーの鋭角的な味わいとはまったく別のものである。
この甘さがとてもいい。かけ醤油にも、三杯酢にも柔らかさを加味できる。特にいいのが煮つけである。瀬戸内海での小魚を食べる文化では煮つけが主役なのである。また「こうなごのくぎ煮」というのもある。この「とら醤油」を買い求めてきてからイボダイ、ミギマキ、鰯の生姜煮、カツオ角煮などを作った。このどれもが味わいにまろみを帯びて味が柔らかく出来上がった。
最後に気になったのが「キントラ」マークの虎の絵である。どうしてこんなにリアルなんだろう。まるで阪神タイガースの虎のようだし、倉敷で言えば美観地区というよりはチボリ公園を思わせる。まあよく見れば笑えるのだけど、倉敷でこの虎は情緒に欠けるな。webには過去のラベルが公開されているが、昔の方がいいと思うのはボクだけだろうか?
とら醤油
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