岡山中央卸売市場には仕事であるような、ないような、中途半端な目的でやってきた。それでお昼ご飯はというと、とにかく関連棟で済ませることに。
仲卸で聞くところでは関連棟の飯どころではなんといっても『備前食堂』がいい。それで腹減りと二月の寒さをたっぷりの昼ご飯で癒す。
岡山中央卸売市場は、まったく新しい青果も水産も合わさった県の中心にある大型の近代的な市場である。だから全体的に無機質なものとなっている。とくに無機質なのが関連棟であって、『備前食堂』というなんだか「そそられる」店名もここにあっては身も蓋もない。
とにかく暖簾をくぐる。なんと目の前にいくつかの惣菜が並んでいて、これがなかなか魅力的だ。それ以上に魅力を感じるのが左手のおでん。真っ黒な汁は「関東炊き」とよばれる西日本の田舎風のもので、当然、牛すじが入っている。
これをお好みでとっていいのだと思ったら、ついつい菜箸が皿にたくさん盛り上げてしまった。
大振りの大根、牛すじ、焼き豆腐に卵。おいおいこれでご飯とみそ汁を加えたらたいしたボリュームではないか。となぜかついでに冷や奴も。
この大根にかぶりついたら冷え切った身体がとたんに暖かくなってきた。おでんはかなり醤油っぽいものでまったりしている。かといって、むさぼるにそんなに重苦しくないのはどうしてだろう。
この、おでん、ごはん、に加わるみそ汁の味がいいねー。
これぞ腹減りの、市場の朝飯そのものだ。
食べ終わると、まことに満足至極で豊かな気持ちになる。岡山中央卸売市場内『備前食堂』は市場飯を満喫できる飯屋である。
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