たまごかけご飯が大好き。これはものごころついたときから好きであって、今でも思い出すのは、ボクが預けられていた(我が家は商家だったので、子守さんに預けられていた)お家で鶏小屋から卵を一個だけとってくる。そこに炊きたてのご飯があって、オバチャンがカッカカカと割り込んだ卵としょうゆをかき混ぜる。これをご飯にかけて食べるのがボクなのである。
このたまごかけご飯のなんとうまかったことか、ボクが幼稚園に上がる前のことなのに窓ガラスを通して差し込む柔らかで黄色みを帯びた光とともに鮮明に覚えている。このウチのことも鶏を飼っていたことも、もうボク以外に知っているのは隠岐にいる友人だけだ。
その頃のたまごかけご飯には生醤油をかけるのが関の山だったのに近年では「たまごかけ専用醤油」がたくさん出ていて、ボク自身は使わないのについつい買ってきてしまう。
今回の「おたまはん」は1瓶150ミリリットル入りで300円弱、関西風と関東風があって、大きさからもパッケージの可愛らしさ、素朴さから両方とも買ってきてしまった。考えてみると、いかにパッケージ、瓶の容量などが重要であるか、もっと“村おこし町おこし”で製品開発している人たちも考えてみるべきだ。
ここで改めて書くのもなんだが、ボク流の「たまごかけご飯」はボウルなどに卵を割り落とし、生醤油を入れて、軽くかき混ぜて食べる。それが最近、温かいご飯にそのまま卵を割ってのせる方が主流になってしまっているようだ。ボクにはどうにもこれがいただけない。なぜなら、ボクは白身がそんなに好きじゃない。適度に黄身と白身が混ぜるという「調理」の工程がなければ、この白身の無味なボリュームが直に不気味に感じられるのだ。またご飯と完全に卵が混ざるのも嫌いで、ご飯にたまごをかけたら、できるだけかき混ぜないようにして食べている。ちなみに我が家ではボクの方が少数派となってしまっている。
さて、「おたまはん」関西風だが、だしの風味も控えめながら、とても卵の持ち味を生かしながら、ご飯と混ざり合ってもいい味である。関東風はやや濃厚に感じるが、こちらも上品ではないか?
2瓶同時に開けて、関西風からなくなってしまった。姫に言わせると、絶対にこっちがいいという。とにかく「『ふるさと吉田村』おたまはん」はうまいらしい。
ふるさと吉田村 島根県雲南市吉田町吉田1047-2
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