中華・および中華料理なのだ: 2006年7月アーカイブ

 年に一度だけしか外食で食べないのが冷やし中華である。ただし神保町暮らしの身にはすずらん通りに『揚子江菜館』というのがあって、会食のときには必ず食べるのだけれど、これは所謂冷やし中華ではない。どうもこの『揚子江菜館』が冷やし中華を初めて作った店とされているが、食べるに麺は茹でていない(たぶん蒸しているのだ)、また具材が明らかに本格中華料理の前菜にあたるものである、などで「冷やし中華」とは別物といった感がある。また宮城県にある中華料理店で作られたという説もあるらしいが、これは「食べてない」ので置いておく。
 さて、冷やし中華はラーメンの鹹水たっぷりの麺を茹でて、水で洗い冷たくして、水切り。たぶん冷やし中華用の皿(河童橋でよく見かける)に麺を乗せる。そこにチャーシューかハム、キュウリ(これがなくては始まらない)、錦糸卵を乗せて甘酢をかけ回して辛子を添えたもの。ここに、ある店では茹でたもやしをのせたり、また蒲鉾がのっていたり、また茹でたキャベツと遭遇したことまである。この茹でたキャベツというのは宮城県の『龍亭』が初めて創作した冷やし中華にものっているというので、それなりに理由というか「キャベツをのせる」中華料理店の流派があるのかも知れない。
 ただしボクが好きなのは錦糸卵、キュウリ、ハムがたっぷりのったものだ。このハムをのせる冷やし中華はそば屋で出てくるものに多く、そば屋の冷やし中華にチャーシューがのっているとがっかりして無性に暴れてしまいたい衝動に駆られる。

 今年の冷やし中華初めは7月1日、八王子総合卸売協同組合『光陽』で。ここはいたって普通のもの。タレも市販のものだし、気取りがない。ただし『光陽』のお母さんの工夫はなるとをせん切りにして彩りに加えたこと。また麺は八王子市横山町の岩本製麺のものだからまずくなるわけがないのだ。

 でも冷やし中華を年に一回しか食べない最大の理由が、「食った気がしない」からだ。大盛りを食っても昼飯としてはもの足りない。これは酢を使っているせいなのか、冷たいためなのか。またラーメンが500円だとして冷やし中華が750円というのも理由である。食堂の料理の値段は材料費と手間で決まるのだが、冷やし中華はともにかかる。たぶん作る側としては最低でも850円欲しいなと思っていても750円でしかない。『光陽』なんて650円なのだからもっともっと偉いな。
 さあ、まだセミも鳴いていないのだけれど今年も梅雨明け近い。これからは我が家の昼ご飯は冷やし中華というのが多くなる。

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