市場便り・市場案内: 2006年8月アーカイブ

 八王子綜合卸売センター「平成食品」は冷凍肉の専門店である。店主は通称「カバだぬき」と呼ばれている。コヤツ、まったく目立たぬ妖怪で「うんともすんとも」言わない。せっかく八王子綜合卸売センターでもっとも人通りのある「高野水産」の前にありながら商品を並べようともしない。それで、今回はボクが勝手に新商品を作ってみることにした。といっても最近我が家オリジナルで静かなブームとなっている「薩摩しょうゆ漬け」というものを売ってみたい、という好奇心のはけ口に「平成食品」を利用しているだけなのだ。
 作り方はいたって簡単。鹿児島県笠沙の「わかしお」さんが送ってくれた同河辺町の「ヤマガミこうくちしょうゆ」とみりんで豚肉を漬け込んだだけ。材料にほとんど添加物がなく、生鮮品なので土曜日限定とした。これが26日に店頭にだしたら総て売り切れ、また今週も作ってみたいと意気込んでいるのだ。
 今週土曜日9月2日の朝からまた限定で売り出すので、好奇心がある方よっといで! ということなのだ。

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八王子綜合卸売センター「平成食品」のことは
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 八王子綜合卸売センター「大商ミート」は豚肉の専門店である。鶏肉も牛肉もあるにはあるが、なんといってもケースの中は豚だらけ。ロース、肩ロース、すね肉にバラ肉、そして豚トロホホ肉。超お買い得な豚こままで目移りすること必至である。今回は久しぶりに「豚の頬肉」である「豚トロホホ肉」を買うことにした。頬とはいうがどうも豚の頭部の側面についている肉であるという。
 そんな店頭での店長との会話。

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「これ(豚トロホホ肉)いつぐらいから売り出したのかな」
「そうだね。ちょっと前までは、これを小さく切って豚こまに混ぜてたのよね。豚肉屋はこれが売れるようになって助かったの」
「でも、これが豚こまに入っていたなんて、昔のこまの方がうまかったわけだね」
「そうかな。豚こまは買い時はあるよな。いろんな部分が入るから」
 こんな立ち話をして、その「豚トロホホ肉」を買って帰って、ちょうどその夜、テレビ東京の「アドマチック天国」という番組を見ていたら「ブタトロ」という名で旭川の焼き肉屋が登場していた。なんと豚の頬から後ろにかけての肉を「ブタトロ」として使い始めたのは5,6年前のことなのである。
 その「豚トロホホ肉」はあまり手を加えないで塩コショウで焼いて食べるのがいちばん。出来る限り焼きたてを、間髪入れずに食べる。当然、焼き方であるお父さんは、余れば食べられるが、ときとして一切れも食べられないときもある。
 我が家で食べる豚肉のほとんどは「大商ミート」のもの。その入荷の状況によって店長が勝手にあれこれ考えてくれて、それを素直にもって帰るのだ。どうも肉屋とじっくりつき合って、言われるままに購入するのがもっとも賢い買い方であるのがわかってきた。
「今日は肩ロースにしな」とか「ロースこの辺切ってあげようか」と声をかけられたときの豚肉の軟らかくて芳醇なうまさは例えようもない。しかも「大商ミート」の豚肉は激安なのである。

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八王子の市場のことはこちらから
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 八王子総合卸売協同組合の丸秘うまいものの決定版かも知れないのが『コリアンフーズ』のビビンバである。これはナムルを作りあまったら朝ご飯用に作るもの。当然まかないである。

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コリアンフーズの前には多摩地区一安い肉屋が並ぶ。当然、土曜日のは混雑するのだ。

 コリアンフーズが出来たのはそれほど古いことではない。まだ5,6年といったところだろう。キムチや韓国食材を売る店であったのだが最初は手探り、試行錯誤の繰り返しであったようだ。在日韓国人の朴さんにとっても、だんなさんの成さんにとってもテレビなどでたびたび取り上げられる激安市場、八王子総合卸売協同組合での生き残りは大変だったのだ。
 そのキムチの味わいは年々他を圧倒するものとなっているし、イカの塩辛や、焼き肉のタレなどは八王子のでも人知れずファンを増やしている。
 と、こんなことを書いてきて、さてボクにとってはこの店で最大のお気に入りなのはなんだろう? と考えると、なぜかキムチでもカクテキでもなく、焼き肉のタレでもない。ましてやナムルでもない。
 それは朴さん夫婦の食べる朝ご飯なのだ。これは石の鍋は使わないものの韓国の家庭の味であるビビンバ。これが朝食としては絶品なのだ。

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うまいビビンバの作り方の秘訣はとりあえずゴマ油はたっぷり。これでご飯をお焦げにする。

 材料のナムル、コチジャン、ゴマ油は自家製のものだが、ご飯はあの「サトウのご飯」。これは市場でも小さな区画であるコリアンフーズでは致し方ないもの。たぶん韓国でも家庭料理としてのビビンバはこんなものだろうのが身近な八王子で食べられるということである。こんなざっかけないものなのに、まさにこのビビンバが絶品というかうまいのだ。

 お腹空いたなと「コリアンフーズ」でのたまえば奥さんの朴さんが「サトウのご飯」を買いに走る。そしてガスコンロにいきなりたっぷりのゴマ油。煙が立つほどに脂が暖まったらご飯を入れる。そこにナムル。今回のはもやし、ニラ、ゼンマイなのだが、これをご飯にのせて、そのままふたをする。ジュージュー言うのを知らんぷり。そのままふたをして焼き、香りが立ってきたらお焦げをひっくり返す。ここに大量のコチジャン。これを混ぜ合わせ、またフタをする。そして香ばしくなったら出来上がり。仕上がりに胡麻をふる。

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出来上がりはそれほどうまそうには思えない。でもこれがやめられない味わいなのだ。

 冷えたコーン茶とぴりっと辛いビビンバ。夏に疲れ果てたボクにはかけがえのない覚醒効果のある食べ物だ。


八王子の市場にことなら
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 八王子綜合卸売センター『カワベハム(相模食肉)』の店長はうまいものには目がない。当然料理も上手である。そしてとくに肉料理には抜群の冴えが見られる。まあ当たり前だと思われるかも知れないが、肉屋をやっていてもちっとも肉を食べようとしない、味わってみたこともないヤカラは多いのだ。
 その店長が「おい! ちょっと食ってけよ」と出してくれたのが賄いの牛煮込み。これがまことにうまい。何と言っても高い肉の切れ端を集めて丁寧に脂を除いてある。そのあっさりとしてトロリンコとした味わいは如何に表現するべきや。
「試食だけじゃつまらない。もうちょっとお土産にくれよ、ドラえもん」
 なんども繰り返して店に居座っていると
「しかなねーな。おれらの昼飯なんだぞ」
 と言いながらたっぷりくれた。
「ありがとうドラえもん(これ最近太郎とよく見ている「元祖デブや」のまね)」
 と言うことで太郎とボクの昼飯は『カワベハム特製牛丼』。

「いやあ父ちゃん肉屋の牛丼は最高だよね。またもらってきてよ」
 聞いてるかカワベハム。待ってるぞ!

 まあ、牛丼の旨さに頭が軽くなってしまったが、せっかくだから『カワベハム』の宣伝もしておくのだ。ここで有名なのが上州牛。ボクは値段からして、三角バラが大好きである。当然ロースやサーロインなんて最高なんだな。でも我が家で手が届くのが三角バラ。また少ないながら最近手がけているラムも店名の「カワベハム」もうまい。
 これからバーベキューなどの相談もここがいちばん親切で、しかも安い。八王子に来たら立ち寄っていただきたい。

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八王子綜合卸売センター『カワベハム』に関しては
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