入間市には『鈴木醤油』と『繁田醤油』の2つの醤油蔵がまだ営業を続けている。この『キッコーブ 繁田醤油』は前々から気になっていたもので、暇を見つけて醤油を買いに入間まで出かけた。
入間駅の無味乾燥な殺伐とした空間から坂を下り、まるで高速道路か勘違いするほどの猛スピードでクルマが疾走する16号線を越えると、国道407号に入る。この一角にあるのが『繁田醤油』の蔵なのだ。
16号を渡って歩くことほんの数分、入り口に大きなお釜があって、これがいい目印になる。そこから見事な長屋門をくぐる。そこは左手に倉庫と醸造倉があるが、倉は荒廃していていたみが激しい。右手に民家がある。民家の先に戦後に立てたらしい事務所かなと思われる建物があるが、まったく人の気配が感じられない。そのまま奥にすすむと空き地になっていて、砂利の山があるだけ。しかたなく、ケータイで事務所を教えてももらうと、建物の角、国道沿いに事務所があった。中には女性が3人、パソコンと向き合っている。ここで醤油を買い求める。
奥の倉庫に誘われて、見せてもらったのがとても魅力的なラベルの一升瓶。でもこれは自転車をこいでここまで来たので重すぎる。結局、本醸造1リットルペット(250円)と、事務所の冷蔵庫に金山寺味噌(350円)を買ってきた。
この事務所の建物が古く、明治時代のものらしい。また創業は江戸初期にまで遡るとのこと。マークは「亀甲に武」であるがこの「武」は「武蔵」という意味合いだろうか?
この本醸造醤油であるが味わいは平凡であるが、値段からすると日常使いのもの。まあ煮炊きに使うに入間市民も地の醤油を使ってみたらどうであろう。大手メーカーのものに決して引けを取らないものである。また、このラベルなかなか趣のあるものだ。これなど変えないで欲しいものだ
金山寺味噌は埼玉では「なめもの」とか「おなめ」と呼ぶようである。この「なめもの」なかなか味が良く、ご飯の友、酒の肴としてすぐになくなってしまった。
繁田醤油 埼玉県入間市宮前町1-10 電話04-2962-2128
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
八王子市「とんかつ大國」 後の記事 »
青春の味・神保町『まんてん』のカレー