八王子市「とんかつ大國」

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 八王子南口から歩いて4〜5分のところ、人影まばらな広い道路沿いにひっそりある。白い暖簾に細すぎる書体、開きすぎた文字間隔で「大國」というのも気が抜けていて、逆に微笑ましい。ボクはこのような気の抜けた感じが大好きである。その暖簾の下に昼の定食が書かれたボードがあり、定食は千円以下でこれにも惹かれる、惹かれる。
 実はこの日、腸にポリープが見つかって「取りましょう」と言われたばかり、非常に落ち込んでしまって、ダメよ、ダメよと言われている揚げ物をどうしても「死んでもいいから食べたい」と思ったのだ。しかも固形物を食べるのは18時間振り。さすれば飢餓状態だろう、と思われるかも知れないが、病院での3時間の内にすっかり食欲はなくなっているのだ。なぜ、病院というのはこのように、とても身体に悪いのか? 誰か教えてくれ!

 そして白い暖簾をくぐると明らかな関西訛りで「いらっしゃいませ」ときた。左にテーブル、右にカウンター、小さな店であるが清潔で気持ちがいい。そしてオープンキッチンに、どう見ても関西方面のおばちゃんがいる。新聞をテーブルで見ていたおじいさんがゆるゆると熱〜いお茶を持ってきてくれる。「何がいいですか」、注文を聞かれて「関西の方なんですか?」と思わず聞き返した。「和歌山なんです。南部町ね。梅干しの南高梅の」。この関西訛り(和歌山も含めて)を聞くとすっかり病院でかちかちに緊張していたのもほぐれてくる。やっぱり関西弁はいい。
「お勧めはありますか」と聞くと
「とんかつ屋ですからね、そうや昼の定食メニュー、出してないね」
 そこにまたおじいさんがゆるゆると昼定食のメニューを持ってきて、「とんかつを食べたい」と入ってきたのに、なぜかメンチカツが食べたくなった。
「メンチカツにします。そうだ大盛りにしてください」
 注文を受けてからメンチカツの中身の形を作り、パン粉をまぶして揚げる。具だくさんのみそ汁、お新香、そして大盛り過ぎるご飯(これなら並でよかったかな)、そしてメンチカツ。
 メンチカツは軟らかくジューシーであるのはさすが、味わい的にはやや平凡だけど、好ましいもの。みそ汁もうまいし、ご飯もうまい。お新香も適度な量でうれしい限り。半分ほど定食を平らげたときに、さすが南部町出身のご夫婦の店だなと思えるおいしい梅干しを小皿に出してくれる。次回は「ロース山椒定食」というのが気にかかるな!

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とんかつ大國 東京都八王子市子安町4丁目26-6-102


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このページは、管理人が2006年7月 1日 10:50に書いたブログ記事です。

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