神田明神前「天野屋」の芝崎納豆・納豆茶漬け

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 もうかれこれ30年以上前、お茶の水に通うようになって、授業が終わったり、また時間があくと神保町には下るが、聖橋を渡るなんてことは思いも寄らなかった。そこには「湯島聖堂」があり、また道を挟んで神田明神がある。こう書くと、なんだか江戸の情緒が感じられる地域だろうと思われるかも知れないが、回りには老舗の飲食店があるわけでもなく、また通りはクルマの往来の激しいところ。どう考えても観光客にはおすすめできないスポットである。あえて言えば落語の本などを読んでいるとたびたび登場する「神田川本店」だろうか、ただし敷居が高い。

 ある日、ゼミが終わって、誰からともなく「神田明神に行こう」と声があがった。神田明神といえば大川橋蔵の「神田明神下の銭形平次」しか浮かんでこない。聖橋を渡るとあっという間に神田明神に到着。ほんの100メートル先には鳥居が見える。鳥居の方に歩こうとして、「そっちじゃないよ」と入ったのが「天野屋」の茶店。そして二十歳前なのに訳知り顔にこの茶店で甘酒を飲んだのである。その後「有名な神社なのだからお詣りして行こうよ」と言うと東京出身のクラスメートが「入るとがっかりするぞ」と言う。それでも鳥居をくぐり、そのとおりにがっかりしたのだから神田明神がどんなところかわかると思う。そう言えば江戸の三大祭りでも神田祭は最大のものであったはずだが、今では浅草の三社祭に人気を奪われてしまっている。

 さて天野屋は神田明神の社から参道(非常に短い)に出て右手。地下に大規模な室を持っているので有名である。ここの名物は麹・甘酒なのだけれど、それ以上に惹かれるのが「芝崎納豆」である。大粒の納豆で豆の風味と言い、納豆菌の生み出した旨味と言い絶品である。またここで売るモノで密かにはまってしまっているのが納豆茶漬けである。ご飯にのせてお湯をそそぐと微かに納豆の風味が立ち上がり、フリーズドライの三つ葉の香りとともにいい味わいだ。

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正面が納豆などを売っている店舗、左が茶店。ここで気をつけなければいけないのが凶暴なオバチャン軍団である。だいたい売り場は狭く混み合っているのだが、オバチャンたちはじっくり選びながら店員を独占する。また当然、こちらが注文しようとしているのに割り込んでくる。恐るべし

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納豆1パックが300円以上というのは高いが中身はたっぷり通常のものの2パック分はある

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納豆好きには答えられないもやっとした香り。納豆嫌いにも堪えられない

納豆315円 納豆茶漬け126円
天野屋
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このページは、管理人が2006年7月12日 08:00に書いたブログ記事です。

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