子供の頃から食べていたB級食品を思い出していて目の前にあったのが「きゅうりのキューちゃん」である。今回、改めてみたら「キューちゃん」なのに驚いた。ずーっと「Qちゃん」だと思っていたのだ。
これを初めて食べたのは、間違いなく小学生の頃であると記憶する。なぜならどこで買っていたかを覚えているからだ。それは貞光町内を乳母車でパン、惣菜やアサリ、干物に豆腐を売り歩いていたおばさんがいた。「きたぐちさん」と言ったのだけど(漢字はわからない)、毎朝我が家の店の前に乳母車を止める。商売をしていたので店を開ける前に判で押したように売りに来る「きたぐちさん」のような存在はありがたかったに違いない。このおばさんは中学になったらなぜだか来なくなったのだ。これは田舎町とはいえ、「木村屋」というパン屋さんが出来たり、小さなものであったがスーパーマーケットが開業したり。なかなか乳母車を押しての行商が立ちゆかなくなったのだと思われる。
このおばさんからボクがどうしても買ってもらっていたのが「きゅうりのキューちゃん」なのだ。なぜ、このキュウリの古漬けが好きになったのか、今ではわかる気がする。それは自家製のたくわん漬けや漬物が季節によっては漬けすぎであったり、また苦みを持ったりするなか、醤油味もほどよい漬物が子供心にもうまかったのだろう。また商家なので朝ご飯はパンで済ませたり、ご飯のときも塩鯖やフィッシュカツなど加工食品や簡単なおかずだけであったと記憶する。姉や兄にもお好みのものがあって「きたぐちさん」から買っていたように記憶するがどんなものであったか思い出せない。
またなぜか「きゅうりのキューちゃん」で坂本九が浮かんでくると思ったら、1963年にはテレビコマーシャルをしていたのだ。小学生の頃から、今現在も食べ続けているものは我が家ではほかにない。これが1963年からだとしたら40年を超える愛用品である。ただし最近、主にこれを食べているのは太郎であって、これをポリポリご飯を食べているのを見るとなんだか懐かしくなる。
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