飯能市「住田屋」のつけめん、ラーメン

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 飯能市の大通り商店街は昔、近隣の村から産物を持ち寄って市の立ったところ。いうなれば近隣の村にとってはハレの日に訪れるところとでも言えそうである。そこに古めかしい切り妻造りの仕舞た屋風の建物をふたつ並べてあるのが「住田屋」である。その外見は古く、換気扇のファンの上には竈かなにかしらの煙突が見える。どうも市の立っていたときには売り買いが終わり在所に帰る前にこんな食堂で腹ごしらえをしていたのではないだろうか?

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 その引き戸を開けると、中は薄暗く、よく見ると祭衆も食事中であり満席。引き返そうとしたら4人がけの席に座っていたオバサンが、「合い席でいいならどうぞ」と言ってくれた。店は入って正面にテーブルが並び、その椅子机ともにいたって安物だ。そして漸次、薄暗さに慣れてくると奥には壁があり、窓もなにもない。右手に厨房がある。そのガラスの仕切が古くがたついている。見通せる厨房もなんだか明治や江戸を思わせる。
 メニューはカレーライスや焼き肉定食もある。が、やはり中華の品が多い。そして店内を見回して来店する人のことごとくが食べているが「つけめん500円」である。しかも麺の丼からの盛り上がり方からすると「大盛り600円」だろうか? 大に麺が、小の丼につゆが入っている。これどこかで見たような、と、考えてみると近所にあるうどんの「古久や」の「盛りうどん」と見た目がそっくりだ。違いは麺の太さ。
 一緒に飯能に出かけた姫は迷わず「つけめん」、ボクは好奇心からラーメンを注文する。この日はお祭りなのであり、姫はここに来るまでにチョコバナナ、あんず飴、かき氷などを食べている。当然、「つけめん」は半分しか食べられないだろうという計算も働く。注文を聞きに来た女性がスイングドアから出てきて、また厨房に消える。木の軽そうな戸が何度も何度もばたんばたんする。
 ほどなく前に座ったオバサンに焼き肉定食がやってきた。
「この店はね。飯能でもいちばん古いくらいの店だね。来る人はみんなつけめんかラーメンを食べていくね」
 姫と二人で店内を見回しているとオバサンが教えてくれる。
 そして「つけめん」が姫の前にくる。姫は早速、驚くほどの早さでめんをすすっている。

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「うまいの? 全部食べちゃいそう?」
 うんうんとうなずいているので、ちょっと味見する。これはなかなかいい味わいだ。麺は中華麺ではあるが鹹水などをほとんど使っていないストレートで個性のないものだ。むしろうまいのはつゆである。これは鶏ガラスープに和風の出汁が加わっているようだ。程良い塩分濃度、そして甘味。豚肉となるとが入っているのも「埼玉風盛りうどん」にそっくりである。
 そしてやっとラーメンが到来する。麺はつけめんと同じもの。そこになると、チャーシュー、めんまに海苔にネギが加わる。スープはいたって軽い鶏ガラ風味、そして微かに魚などから来るイノシンの旨味。これも毎日食べても飽きない普段着のラーメン。店が混んでいるわけは当然のうまさにある。

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<p> さて、姫はとうとう「つけめん」を制覇してしまった。かねがねよく食べる娘だと思っていたが、改めてうまいものには目がないのが思い知らされる。<br />
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<p>住田屋 埼玉県飯能市仲町21-23<br /><a href=http://copost.hp.infoseek.co.jp/o-sumitaya.htmlg" width="150" height="98" border="0" />


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このページは、管理人が2006年8月 6日 21:12に書いたブログ記事です。

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