信濃大町の小さなスーパー「ヤマトヤ」で買ったもの。このような古くて個人の経営する食料品店にはおうおうにして地域で古くから食べられてきた食料品があるもの。そんな店の棚で見つけたのがコレである。
これは黒大豆を材料としたひしお(麹と醤油を合わせたもの)である。米と大豆の麹に醤油を合わせて作る「ひしお」は日本全国で見られるもの。乾物である麹と加工されて保存性のある醤油を合わせることで旨味のあるおかずとなる「ひしお」は徳島では「しょいのみ(醤油の実)」と呼ぶ。それが長野でもまったく同様に「醤油の実」と呼ばれているのだが、善光寺平周辺では「しょうゆ豆」に呼び名が変わるようである。
この古くからの「しょうゆ豆」を黒大豆で作り上げたのがこの「山治」のもの。口に入れると、塩辛さよりも旨味と甘みが程良く感じられて、次に醤油の風味が浮き上がる。この醤油がやや甘口なのだろう。この穏やかさのお陰で酒の肴にも、当然ご飯のおかずにもなる。なかなか優れた一品である。
山治 平林醸造店 長野県筑摩郡明科町大字中川手3737-1
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