このところ仕事がらみで築地に行くことが多くなっている。だから築地行が増えているのにもかかわらず場内をゆっくり見て回る暇がなくなってしまっている。
そんな慌ただしく通り過ぎる場内でぱっと目に飛び込んできたのが、この「ひや汁」である。
我が家の夏の定番のひとつが「ひや汁」だ。
この「ひや汁」には3種類ある。ひとつはこの「日向のひや汁」と同じもの。
もうひとつは埼玉県で作れられているものをアレンジしたもの。
最後は同じく宮崎県の「ひや汁」でも海辺に近い地域で作られるものだ。
今回はそれぞれの「ひや汁」を語るのは煩わしいので省く。
おいおい総て取り上げていくことになる。
本製品の製造元「向栄食品工業」は海辺からやや遠ざかった国富町というところにある。
これが『聞書き 宮崎の食事』でいう山間部にあたるのか宮崎平野部にあたるのかは疑問だが、どちらかというと山間部に近いようだ。
宮崎県の郷土料理「ひや汁」には必ず魚が使われる。この魚であるけど、海辺では焼き魚、平野部では焼いて干したもの、山間部では「いりこ」となる。
ここで使われているのは「いりこ」であって、これをから煎りして、ごま、みそとする。
これを水で溶いて、夏の香辛野菜を加えると「ひや汁」が出来上がる。
「日向のひや汁」にはみりん、落花生(ピーナッツ)などが入っていて、これが特徴であるようだ。
みそがあまり辛すぎず、とても食べやすい、また味のよい「ひや汁」となっている。
我が家ではキュウリ、ミョウガ、青じそ、ネギを加えて、炊きたてのご飯にぶっかけて食べた。
当然「ひや汁」なのだからたっぷり氷を入れて、冷や冷やにひやして。
暑さから食欲の落ちてきているときに、「何杯でもご飯が食べられる」と、「ひや汁」は夏のカンフル剤でもある。
向栄食品工業 宮崎県東諸県郡国富町大字竹田991