郷土料理・郷土食品: 2010年7月アーカイブ

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新潟県長岡市は上越線の線路をはさんで北側は工場地帯、南側は古い雁木の町並みが残る。
その古い町並みに摂田屋という曲がりくねった道にそった一角がある。
何の変哲もない、月並みな田舎道だなと思っていたら、点々と酒蔵、みそ・しょうゆの蔵などがある。
全国的知名度をほこる蔵本「吉乃川」もここにあったのである。
さんざん迷った末にたどり着いた摂田屋。
やっと摂田屋に着いたらしいと気がついたのが長谷川酒造の建物によってである。
ここで特別純米酒「雪紅梅」を買い求め、ちょっと女将さんに摂田屋のことを聞く。
「このあたりならではの食べ物ありませんか?」と聞き出てきたのが、しょうゆで色づけした赤飯なのだ。
お祭りなどのときに『越のむらさき』という醤油醸造元が作っていると言うが、本日は「け」の日。

結局、「スーパーならいつでも売っています」と『越のむらさき』で聞き車を曲がった鉄砲玉のように走らせる。
ほどなく見つかった「原信」の大きな駐車場に入り、総菜のコーナーにいったらすぐに見つかった。
赤飯とあるが、小豆やササゲを使ったものはなく、総て「正油赤飯」ばかりだ。
餅米をしょうゆで煮染めて、具は大正金時のみのものと、ゴボウ、ニンジン、油揚げなどを加えた五目赤飯の2種類がある。
当然、両方カゴに放り込む。
このスーパーで、他にも地元ならではの食材をいっぱい買い込む。
実は地元ならではの食材を探すならスーパーに行くに限るのである。

この醤油味の赤飯がなんともうまいのだ。
塩加減がほどよく、ほんのり醤油の香りが立つ。
『越後製菓』というメーカーの作ったものだが、なんともよくできている。
これを食べながら浮かんできたのが、落語・品川心中に出てくる「おこわ」である。
「おこわ」=「赤飯」と思われているが、実は「赤飯」は「おこわ」の1種であって、「=」ではない。
また「赤飯」の定義は小豆やささげを使った「おこわ」というものだ。
なんだか複雑になってきたが、とにかく長岡市で「赤飯」というのは「醤油味のおこわ」だということだ。

越後製菓

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