郷土料理・郷土食品: 2006年8月アーカイブ

 これはソバの実を脱穀してかなり長時間茹でて、そして天日乾燥したもの。徳島では「そばごめ」、長野では「そばまい」と言う。これは製粉以前のそばの古い形の食べ方。徳島ではこれを下ゆでして酒塩味で根菜類などと澄まし仕立てにする。ボクが子供の時から食べてきた「そば米雑炊」である。
 使い方は簡単
1/やや多めのお湯で10前後茹でる。
2/ゆでたものを水洗いして、水切り。
3/別にかつお節だしか煮干し出しで温めると出来上がり。
 かつお節出しは水に昆布を漬け置き、火をつける沸き上がってきたら昆布を取りだし、鰹削り節を入れて漉したもの。これに塩酒で味つけ。下ゆでしたゴボウ、ニンジン、油揚げ、そして「そば米」を入れて一煮立ちさせる。野菜は他に三つ葉、レンコン、ジャガイモなどを使ってもいい。また鶏肉などを入れても当たり前だがうまい。
 徳島の山岳部ではもっとも日常的な食べ物。「そば米雑炊」を食べると間違いなく懐かしさがこみ上げてくる。
●徳島県では米屋などで普通に売っている

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倉科製粉 長野県大町市大国町2248
http://www.sobakoya.com/

 市場には鮮魚や生鮮野菜を売るところと加工品などを専門に扱うところが分かれている。その加工品を扱うところで見つけたのがこれである。見つけてかれこれ3,4年になるだろうが夏にはなくてはならないものとなっている。
 透明なパックに入っているのはキュウリ、みょうが、ししとう、なす、ねぎ、大葉、昆布、唐辛子などのみじん切り、これを独特の出汁で和えたもの。塩味がきいていて、そこに昆布ベースの出汁、ご飯にのせて噛むほどにキュウリやナス、ネギなどの野菜の味わいが浮き上がってくる。
 夏ばてして食欲のない時期などに炊きたてのご飯にたっぷりかけてかき込むととても元気が出る。また冷凍庫に残ったご飯でも冷凍臭が消えておいしく食べられる。
 さて、この「だしっ」であるが同じような加工品が山形には多いようである。そのどれもが味わいを違えて、また絶品である。どうも山形には野菜や漬物を刻んで食べる郷土食があるようだ。それにしても「だしっ」というのは引かれる名称である。これ、昔からある料理なのだろうか?

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尾花沢食品 山形県尾花沢市大字萩袋1311 電話0237・25・2203
http://www7.ocn.ne.jp/~rescue/tsukemono/obanazawasyokuhinn.htm

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