意外に今まで新幹線名古屋駅を利用した回数は多くない。
途中下車しない旅は最低だと思っているので、新幹線の駅もほとんど乗り降りの経験がある。
さて名古屋は何回くらい利用したことだろうと思い返すと、3回は実際に覚えている。
名古屋駅で乗り替えて奈良方面に、また名古屋周辺を無駄歩きしたこともある。
そのたびに果たせないことがあって、それが新幹線ホームのきしめんを食べていないことだ。
例えば6月、上りホームでのぞみを待つ間。
なぜか立ち食いきしめんの店は満員。
待つ間もなく、無念にも、のぞみはホームに滑り込んできた。
となると、ぜひとも食ってみたい、と思うのは人情というものだ。
それでやっと今月になって下りホームでいっぱいの、きつねきしめん410円を食べることが出来た。
きしめんの謂われはいろいろあるだろう。
まあそれはここでは語らない。
外見的には“ひもかわうどん”以外のなにものでもない。
さて、ここで問題なのが、名古屋市内でなんどか、きしめんを食べているのだけど、いちどもうまいと思ったことがない。
みそ煮込みうどんは、彼の有名すぎる老舗で食べても、うまいものだなと感心したのだが、きしめんは全滅に近い。
それで目の前にきたきしめんだけど、見た目はまことにうまそうだ。
薄味の油揚げに血合いありの花がつお、わけぎに赤い蒲鉾もいい。
そしてよかったのはここまでだった。
きしめんには腰がなく、まあ、「きしめんには腰がない」のが当然なのかも知れない。
そう思ってすすったつゆがまずい。
出しがうまくとれていないのか、ぜんぜん旨味に欠けるものだった。
全体のバランスからしても、この新幹線ホームのきしめんはかなり程度の低いものに思える。
それなのにいつもお客がいるというのは、どうしてだろう?
不思議だ。
名古屋に行けるのは、さて次回は何時の日か?
そこでうまいきしめんに出合うことが出来るのだろうか?