立ち食いそば・うどん: 2006年7月アーカイブ

 この立ち食いそば屋に初めて入ったのは、いったいいつ頃だろうか? もうかれこれ30年近くになるはず。その頃、三越の本売り場(今もあるんだろうか?)はミステリーが豊富にあって、その丁寧なカバーのつけ方もあって通ったものだ。その帰りに寄るのが、この店であったはず。
 この店の売りは豊富な自家製天ぷら。竹-、春菊、げそ、イカなど、これがなかなか楽しい。また、初めて入ったときに驚いたのは汁の濃さが他を圧倒するぐらいに真っ黒なこと。これは東京(のうどん、そばの汁が醤油辛くてまずいという反省から、他の店が徐々に上品になってきても、今でもまったく変わっていない。
 その真っ黒な汁だけど、すすってみると、イノシンの多さからかのたりとして重い。甘味の強く、旨味もあり、そして醤油辛い。いかにも鈍な味わいである。そしてここの、そばの小麦粉の比率が高くぼってとしているのに、非常に相性がよく、これがなかなかうまいにはうまいのだ。でも、天ぷらを3つものせて、その上、玉(卵)まで落としているオヤジを見たがとても真似が出来ないな。ボクはかき揚げひとつでもいっぱいいっぱいである。
 また、今時、ほとんどの立ち食いの店は、自販機で食券を買うシステムになっている。それがここでは未だに「360円ね、そこに置いといて」という原始的で古(なシステムを通していて、これだけでもなんだか懐かしいのだ。
 帰りがけに見上げると二階では酒が飲めるようである。これはなかなか穴場かも知れない。
 さて我が日本橋、散髪も村町だし、.紙の専門店もあるので時々来ている。でも「六文ぞば」は本当に久方ぶりである。しかし五十路近く、食べた後にくるこのものもの悲しい気持ちはなんだろう。人生の悲哀、悔悟の念を噛みしめたい人におすすめ。

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げそ天そば、360円

築地「ゆで太郎」

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 築地には定期的に魚貝類を見に行っている。だいたい都バスの築地正門前で下りるのだが、下りて晴海通りを渡ってすぐにあるので、早朝の空腹感をとりあえず満たすのには格好の場所にある。
 早朝2時3時から走る回っている築地の人たちにとって、なにしろ「食事ももたもた食ってらんねえんだい」ということで食券を出してから、出来るまでの早いことではこの「ゆで太郎」もトントントンてなもんである。
 麺を温める、汁をはるなどするかたわらでは天ぷらを揚げているし、奥では麺を作っている。これもなかなか活気があっていいぞ。
 そしてここではごぼう天そばかイカ天そば、ともに340円、どちらにするかはその日の気分次第。築地で働く人たちにとってカレーや天丼なども人気があるようで、これも毎回迷うところ。こんどは試してみるかな。
 汁はやや軽めの味わい、これが早朝にはちょうどいい。またワカメを入れるというのが、そばにはどうにも合わないと思えるのだが激しい仕事をしている人が相手なら悪くはない。麺は自家製麺している割にはうまくはない。何しろ慌ただしい築地だトントントンと食べるなら、ここは最高だ。

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築地店 東京都中央区築地6-21-4
http://www.shinetsusyokuhin.com/

 かれこれ30年以上前になるが、東京に出てきて初めて立ち食いそばを食べたのは渋谷の井の頭線下(このあたり昔はパチンコ屋、スタンドカレー、立ち食いそばなどがあって汚いけど活気があった)である。このとき食べた天ぷらうどんには驚いた。つゆが真っ黒なのだ。しかも味がまだるっこいというか、しっかりしない。このまだるっこいつゆの味はかつお節やさば節をたっぷり使ってとるからで、関西の昆布を主とする味とは大違いなのだ。その東京風つゆの立ち食いでも、うまいまずいがあるのは当然であるが、そのピンだと思うのが「満松庵」である。

 JRお茶の聖橋口を出てすぐ右手にある。聖橋から出て真っ正面にある高いビルはまことに甚だしくお茶の水の景観を台無しにした代物。このような建物を作るヤツは愚か者でしかない。その不愉快な高層ビルから丸善を左に見て右側は中央線線路を真下にした崖っぷちに建っている。ほとんどが二階家。今は一生懸命表面を取り繕いこぎれいな店舗に見せる努力をしているがちょっと引いてみると建物は古く、どこか高度成長期の面影が残る。中にあって、古いまま素顔で出ているのが満松庵である。
 間口150センチほど、駅からと道路側から入ることができる。入るとお握りを売る売店。このお握りはあんまりうまくもないのにすぐになくなる。そして左手に二階に上がるがある。その階段のある場所が狭くなりやっと通って、そのいちばん奥に調理場。そしてその前、狭っくるしい場所の両側の壁に棚のような作りつけの奥行きのないテーブルが渡している。
 入って左の階段に真下の狭苦しい場所がある。ボクは最近このような薄暗く狭苦しいところにいると落ち着く。当然、4人も入ると奥の厨房にそばを注文するのも受け取るのも困難を極める。またセルフの水、そのコップがワンカップの再利用というのも考えてみるとすごいよな。
 そう言えば若い頃、飾らない性格の女の子とつき合っていて、連れて行ったことがあるが、以後一度も会っていない。どうしてだろう。

 閑話休題。
 ここ「満松庵」の汁は見事に醤油色、しょうゆ味、そして醤油辛い。これなど今時の立ち食いのように中途半端などっちつかずのものが愚かしく思えてくる代物だ。また、この醤油のグルタミンの中に濃厚なイノシンの旨味、そして香からしっかり、さば節を使っているのは明白である。うどん、そばにしても、ほどよい味わいが感じられるもので合格。
 東京風立ち食いそばの神髄は「満松庵」ありだと思っているのだがいかがなものか? 

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東京で初めて食べた「立ち食い」は天ぷらうどん。立ち食い客のほとんどは天ぷらそば、うどんを注文する。満松庵の天ぷらうどんは310円

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