市場便り・市場案内の最近のブログ記事

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手打ち麺を作る、まささん

 八王子総合卸売センター『さくら』に立ち寄る。
 ときどき「食べてみてよ」というのがうますぎるときがある。
 しかもカレーに関しては前回に身に染みてうまいと感じたばかり、それなのにもう一度試食する必要があるのか?
 中くらいの皿で試食したのだけど、一さじすくっただけで後悔の念が浮かぶ。

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また進化している『さくら』のカレー

 そう言えば七月七日に手打ち麺で焼きそばを作ったんだけど、食べてみないと言われて、同じような目にあっている。
 肥満に苦しむ毎日なので、ついつい「少しでいいからね」と言ってしまう。

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手打ち麺になってからは焼きそばが格段にうまくなった

 そのとき、本当にちょっとだけだったので後々の懊悩が強かった。
 焼きそばも、カレーもものすごくうまい。
 特にカレーに関しては都内に置いても出色のできではないか?

 ボクの表情を見て、まささん、うれしそうに手打ち麺を作るために小上がりに戻る。
 でも「カレーライスがうまい中華料理屋」って変じゃないだろうか?
 だいたい『さくら』夫婦は似たもの同士で、これも少々気持ち悪い。

八王子の市場に関しては
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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 値段を見てわかることはギンダラ(冷凍でも高級魚)だけが冷凍物で、他は総て鮮魚、たぶん養殖魚も使っていないようである。
 本来魚河岸でうまい魚を食べるなら、できるだけ冷凍物(在庫化できる)や養殖物(常にある)を避けるべきだと思っているので、前回の『たけの』(魚の品揃え多彩さでは断然頂点にいる)とともに築地での食を見直してしまった。
 ただし、これだけ多彩な魚貝類を扱う築地にあっては品書きの魚はいたって平凡だ。これでは都内の優れた食堂になんら変わることはないだろう。そのなかで唯一救いなのが東京都の地魚とも言えるアオダイがあること。魚河岸の店なら、これくらいは当たり前だろうけど、改めてアオダイに感激するほど河岸の魚は決まり切ったものだらけだ。

 今回の案内人、つきじろうさんにある程度主導権を委譲して、『かとう』にてお願いしましたもの。
 あんこう煮、銀ダラ西京焼、アオダイの刺身、なめたがれいの煮つけ(ババガレイ)、そしてご飯とみそ汁、お新香に、イカの塩辛。

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 このなかで本来一人前の定食はボクの場合、銀だらを中心にして、ご飯、お新香、みそ汁、イカの塩辛であるらしい。
 狭いカウンターが店の振り分けにあるだけの店だから、これだけの料理が並ぶと2メートルほどにもなる。

 ここで奥右手に陣取る恐い顔つきのオババが一言。
「宴会のようだね」
 まあ、これが下町風のドスの利いた声であり、これも築地が世界遺産に登録されれば必ず加えたい無形文化財であろう。

 並んだ皿の上のものを、つきじろうさんがテキパキと二等分していく。その手つきが鮮やかで無駄がない。さすがだ。 
「半分以上あります」といってくれた、あんこう煮に関しては鮮魚であろうけど、まあ国産でも一段落ちるもの。本来熱を通すと新鮮ならばプルンとした食感になる。それからすると皮のあたりがだらりとして柔らかすぎる。そこに別売の肝を加えてしまっているように感じるが、これで1800円は合格点かも。だいたい味つけが“飯を食う”のに丁度いいほどに醤油辛い。
 なめたがれい(ババガレイ)もやはり仕入れ値でキロ当たり1500円前後はするものだろう。ちなみにババガレイは古くから関東に入荷して来ていた魚。煮魚で高級魚といったら「なめた」という概念がいまだに都内魚屋では健在である。

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「なめたがれい」は都内下町の魚屋などでは未だに定番的な煮魚である。標準和名はババガレイ。愛想のないオババにお願いするのは“はまりすぎ”の感がある

 銀だらは味つけがいい。上品というか軽い。ついつい、つきじろうさんに分けてあげるのを、忘れてしまった。ごめんなさい。
 アオダイはくどくなるが東京都の地魚なのである。主に入荷してくるのは伊豆七島。「都漁連」というのはこの都内諸島部を言うのだ。これも仕入れが上手だな、と感心する。キロ2000円前後のアオダイで、しかも歩留まりのいい1キロ上のものだろう。このアオダイの旨味充分の刺身は特筆すべきだろう。

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アオダイの刺身はそんなに珍しいものではない。都内では平凡なものだと思うのだけどね

 そこに加えるに飯がうまいのと、お新香がたっぷりなのと、みそ汁がやや辛いのがいいね。

 うまいものがくると早食いになるボクなのだが、つきじろうさんも早い早い。知らぬ間に飯のお代わりまでして、刺身もあんこう煮も、なめたの煮つけもあっという間に食べ尽くす。この時点でボクのお腹はパンパンに膨れあがる。本当にこれで狭苦しい場内を駆け巡れるだろうか?

 場内では老舗とも言える『かとう』には少なからぬ好印象を持った。その品揃えを見る限り、仕入れも確かなのだろう。これくらいやらないと築地市場で店を出す意味がない。でもここで問題なのが、品書きに載る魚が平凡すぎることだ。
 市場の店なら、しかも世界一多彩な魚貝類を扱う築地なら、もう少し日々の魚に変化があってもいい。マグロにカレイにサケ、サバなんてお定まりの魚貝類ばかり食べていたら、本当に人類は滅ぶぞ。

 店内に入ってから、ほんの30分も経過していないだろう。これだけの品数をとったわりに、早食いに徹したせいで、まことにあっけなく『かとう』での宴会は終了した。
「宴会の代金」は5700円也。これだけ食べて一人頭2850円は安いかもしれない。ただしボクの日常からしたら大変な散財であることを明記しておきたい。

 これから場内巡りの開始なのだが、「氷屋に寄ります」と言ったら、つきじろうさんも「私も寄りたいところが、少し待っていてください」と言って消えていったのがセンリ軒の店内である。そして手に持っているのがカツサンド。
 ここで食事の途中に、つきじろうさんが言った「揚げ物がないのが気になりますね」というのが思い出される。恐るべし、つきじろう。

つきじろうの春は築地で朝ごはん
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 築地場内で“飯を食う”となると「いかに素早く」、「簡単」に“腹を満たすだけ”というのに徹してきたつもり。だから座るとあっという間に出てきて、しかもおいしい『中栄』のインドカレーとか、大物競り場横売店の焼きそばパンとかがボクの朝ご飯の定番となっている。
 要するにボクにとって築地とは魚貝類を見に行くところであって“うまいものを食べに行くところ”ではなかったのだ。
 そこに築地でうまい朝飯を食うのに人生・命をかけている、つきじろうさんとの出会いがある。
 会って直ぐに、つきじろうさんの博識・大食いに度肝を抜かれる思いをする。そしてボクの勝手な造語であるが“築地でうまい朝ご飯をたべること”を“つきじろうする”と呼ぶことにしたのだ。

 今年最初の築地行が1月8日。場内巡り、荷受けで人と会う、長崎県漁連で魚を受け取る、といろいろやることはある。そこになんと、つきじろうさんの朝飯案内も加わることになった。
 2008年となって、年初めの「“つきじろうする”・その1」が場内の『かとう』である。
 時刻は8時を過ぎている。大急ぎで場内の食堂寿司屋などが並ぶ棟までくる。このあたりは早朝から一般客で混雑しているのだが、さすがに平日(火曜)のせいか人はまばらである。細長い棟が並んでいる茶屋側から入って、『高はし』、『やじ満』ときて『かとう』の前まで来た。
 そのハモニカ型の店舗は間口が狭くて一間半ほどしかない。サッシの引き戸前に、つきじろうさんが堂々と仁王立ちしていた。

 新年の挨拶も忘れるほど素早く店内に入る。築地通いも長くなったというのに、「この店に入る」と決めて入るのは今回が初めてだ。そんなボクだから場内食堂のある棟を歩いてみても過去に食べたことがある店かどうかが判然としない。でもこの『かとう』は間違いなく初めてのような気がする。入ると、奥が厨房、左右にカウンターがある。その左手には若い女性が4、5名。
 この娘達がおバカ、もしくはしつけが行き届かないのは「飯屋の長話」をやっているらしいことでわかる。正面右手にはやや強面のオババがいて、明らかに呆れて声が出ないという表情なのに、この場所柄をわきまえぬバカ娘達は無駄話に盛りあがる。ボクには子供が11人いるのだけど、この手のしつけはしっかりやっておきたいものだ。

 店の品書きはあまり多くない。

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「丼もの」はウニ丼1900円、まぐろ丼1700円、まぐろウニ丼2000円。
「季節季節の魚の刺身」は、盛り合わせ1350円、本まぐろ(クロマグロ)1700円、めじまぐろ(クロマグロの幼魚)1400円、ブリ1800円、ヒラマサ1350円、カンパチ1300円、そしてアオダイ1200円、ヒラメ1200、トリガイ950円、もんごういか(種はわからない)950円など。
「煮つけ」はカレイ(なめた ババガレイ)1300円、クロムツ1350円、キンメ1400円、それに加えてサバの味噌煮1300円。
「焼き物」はキンメ・ギンダラの西京焼きともに1350円、ブリの照り焼き1500円、ブリの塩焼き1500円、サバの塩焼き1300円、クロムツの塩焼き1350円。
 ここに特徴的だと思える「汁物」があり。あんこう煮1800円、たらどうふ1300円、かきどうふ1300円。
 ウニは輸入ものだろう。マグロは「本」とあればクロマグロなんだろう。銀だら(ギンダラ)は冷凍もの、もんごういか(コウイカ科のイカ)は冷凍の可能性あり。ブリは値段からすると天然だろう。
 品書きを見て感じることは鮮魚、天然ものを使うことにこだわっているのではないだろうか。
 値段は決して安くない。朝ご飯としてはむしろ贅沢な部類だ。

「お勧めなのはかきとうふです。それとアジフライは外せません。これはぜひとも食べて欲しい(つきじろうさんの口調は柔らかく洗練されている。西洋的な表現をすると“エレガント”)」
 つきじろうさんに進めていただいた「かきどうふ」であるが、これをお願いすると酒が欲しくなりそうだ。これから場内歩きと言うときに酒を飲むのはまずい。アジフライは魅力的だが品書きには見つからない。
「あのー、今日、アジフライありますか」
 すかさず、正面右奥のオババが
「アジフライはできる?」
 奥から「ないよ」と返事が返ってくる。
「ないって」
 このオババの声の低さはただものではない。しかもその立ち居振る舞い、言い草に微かに退廃的な気配がする。いまどきこれほど味わい深いオババというのも珍しい。

『かとう』で朝飯はこれからだ。

つきじろうの春は築地で朝ごはん
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十一屋のいいところは店員さんが和気あいあいであること

 八王子綜合卸売協同組合「十一屋ジャパン」の店頭が秋深まるにつれて楽しくなってきた。自家製の白菜漬けはもとより千葉県の鉄砲漬け、山形の「晩菊漬」、京都のすぐき、しば漬け、ネギの醤油漬けに、そろそろべったら漬けも並びそうである。

 この「十一屋ジャパン」という変な名の由来はわからないが、店に並ぶのは社長自らが全国をまわって集めてきたもの。そこには自家製をはじめ、各地の名産漬物、味噌醤油などの調味料たちが溢れ、見ていてとにかく楽しい。楽しくてついつい試食、試食して一袋二袋と買ってしまう。

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この怪しい男は誰だ? 漬物を見る目が鋭すぎる

 だいたい沢庵(たくあん)だけでも10種類くらいある。毎週一種類ずつ食べていき、さて「十一屋ジャパン」の沢庵を制覇したぞ、と思ったら目新しいのが加わっている。

 ボクは魚を見るために、毎日八王子綜合卸売協同組合に足を踏み入れる。そして間違いなく「十一屋ジャパン」の前の通路を通る。そして一品、二品、漬物の試食をする。店頭に並ぶ漬物から四季を感じることもしばしばある。これがとても楽しいのである。

十一屋ジャパン
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八王子の市場については
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『市場寿司 たか』は八王子市北野、八王子綜合卸売センター内の市場の寿司屋である。その店主、たかさんが最近困っているのが至って野放図な市場人のわがままな注文である。
 ちょこっと店に来て「あのさー、そこからそこまでのネタ、出来るだけ細かく切って丼にして」とか「マグロの八の身とタクワンだけで丼ね」とか、「ネギトロととろろ芋でトロトロ丼」とか「イクラもカニもウニもいらないからボクの好きなネタだけで丼ね」だとか、「明太子もらったから寿司飯だけでね」とか、「ほーらコレ、いいマグロだろ。本ま(クロマグロ)だぜ。これをすし飯の上にね」なんていうマグロ屋までいる。「みんなわがままは止めろ! たかさんが泣いているだろ」とボクが一喝。だいたい市場で棲息する人類でボクだけがまともだ、在る意味、理性の塊のようである。

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 そして「カワベ」のコマちゃんの本日のわがままがコレ。コマちゃん、明太子が大好き。それに反して、たかさんは嫌いであるようだ。それなら「玉子焼きばっかり乗せて」と来た。それを店まで持ち帰り、冷蔵ケースの上で遅い朝ご飯。前に並んでいるのが明太子2パック。パックから直接、明太子をのせては食っている。
 なんとまあ、おかしな丼であることか? と思ったのだけど、意外に『市場寿司 たか』自家製の出汁巻き卵と明太子がいけそうだ。こんどたかさんにお願いして作ってもーら、おーー。
 最後にこんなわがままだけれど、コマちゃんの売る上州牛は最高だ!

八王子の市場に関しては
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『市場寿司 たか』へ
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 市場で仲良しのコマちゃんは『カワベ(カワベハム)』の店長である。この店、上州牛をメインに扱って、なかなか定評があるのだ。
 面白いのは『市場寿司 たか』で昼下がり、ときどきコマちゃんが上州牛の三角バラというのを差し入れてくれる。この表面を軽くあぶって握りにするのが名状しがたいくらいに「うまい!」。これ以来、牛肉は『カワベ』以外で買うのをやめてしまっている。それほどこの三角バラの味が印象的、今でも思い出すと生唾が出てきて困る。
 でもやっぱり旨い肉は高い。だから食べたくても、なかなか手が出ない。そんなときにはコマちゃんお勧めの牛肉、しかも格安なのを買うに限る。今回のは上州牛すき焼き用というやつ。これがなんと100グラム200円というのだから凄い。

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 迷わず、いっぱい買って帰り、当日は家族はすき焼き。ボクは当然、魚。なにしろ毎日、それこそ20年以上一日も欠かさず、魚貝類を食べていると休日の夕食は魚ずくめとなる。
 このすき焼きがうまかったのである。ボクが食べたのが2切れだけ。家族だけで1キロ近い肉をぜんぶ食べてしまった。ああああ、これが200円、もっと買ってくればよかったのだ。
 ひとりタイラギの刺身を肴にして酒をあおりながら、もっと肉が食べたいな、としみじみ思うのであった。

八王子の市場に関しては
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 別に八王子総合卸売協同組合『ユニオンフーズ』の名物がハムカツというわけではない。まあ言うなれば勝手にボクが名物だとしているだけのこと。本来肉屋であり、牛肉も豚肉も激戦区の八王子総合卸売協同組合にあっては健闘している店である。
 でも市場内で唯一、揚げ物総菜を売る店というのが貴重だし、また惹かれる部分でもある。
 そしてメンチカツ、コロッケ、はたまた名物の焼き豚などを押さえボクのいちばんのお気に入りがハムカツなのだ。この揚げたてをサクサク食べるのはメタボリック症候群オヤジにはたまりません。地獄に落ちてもやめられなーーーい。
 八王子総合卸売協同組合にきたらお土産にハムカツというのもいいぞ。

八王子の市場に関しては
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 本日は点描風に。

 八王子魚市場はあっさり見て歩いただけ。そのまま八王子綜合卸売センターに。相変わらず土曜の駐車場はスペース探しが大変だ。

 午後7時半近く、「光陽」。迷った挙げ句煮込み定食600円で朝ご飯。
「お母さん、やっぱり煮込みでご飯はいいな」
 このときNHKで「傾聴する」というニュースをやっている。人の話を聞く教室というのがあるらしい。バカみたいだ。
「お母さんなんて毎日、人の話を聞いて偉いね」
「そうだね。あんまり相手もしてらんないけど、ここに来て話をしていく人も多いね」

「光陽」の前があやしいディスカウントショップ「三恵包装」でお菓子、ラーメンなどを一杯に買い込む。貴ちゃん、今日の品揃えは凄いぞ!

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 貴ちゃん、
「ほら喜多方ラーメン二人前で80円だよ。買ってってよ」
「ほいよ」
 と4パック買ってしまう。これじゃまるでサクラだ。

 魚屋「三倉」、その前がマグロ屋「礒辺」、見るものもなく通り過ぎて正面にあるのがモツや内臓肉を売っている「大虎」。「十一屋ジャパン」の漬物を見て、「やまぎし」の魚を見るが面白くない。その隣が「コリアフーズ」。

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コリアフーズではキムチ、ナムルなど総て自家製。韓国食材もあるんだと

 なにやらうまそうな臭いがする。しまった名物「コリアフーズ」のビビンバにすれば朝ご飯はただですんだのに。と、思っていたら新製品の「コチュジャン煮」をパック詰めの最中だったのだ。
「これ試食できるよね」
「まあせっかく通ったんだから奥へ入んなさいよ」
 と言うのでしっかりたっぷり試食する。これが「うまい」。ホロホロになるまで煮込んだ牛すじは良く脂分を取り除いている。それなのに味わいが深く旨味を感じるのはコチュジャンのお陰だろう。

 八王子総合卸売協同組合名物肉屋通りはすでに人がもみ合うようである。人混みは嫌いなので早々に「丸幸水産」をのぞく。クマゴロウは忙しそうだし、珍しいものはないようだし、すんなりと通り過ぎる。

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「丸幸水産」はパック販売も豊富なので一般客が集まってきている

 その隣が米屋の「日本堂」。「市場寿司 たか」も我が家の米も総てここでお願いしている。銘柄は勝手に「日本堂」が選んでくれる。
 八王子綜合卸売センターは八王子総合卸売協同組合の真隣。数センチしか離れていないが一様八王子綜合卸売センターに戻って「平成食品」でイスに座り込む。
「今日も暇そうだな」
「そんなことないよ」
 一息置いて「総市」で魚を見るがやっぱり面白くない。「ユキ水産」を冷やかす。この店、社長をはじめ美人揃いなのが自慢。ウソだと思ったら行って確かめて欲しい。驚くぞ!

「市場寿司 たか」に来ると満席。この状態は7時過ぎから続いて8時になっても空席は見あたらない。たかさんご苦労様なのだ。

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「市場寿司 たか」では早朝の営業だけで1本すし飯を使い果たした

 麺屋の「南京軒」を過ぎて冷凍食品の「プアカロ八王子」、その前が「カワベハム」。コマちゃんをはじめカメラにニッコリ。気持ち悪いぞ。そのまま前にあるのが「大商ミート」。ここも忙しそうだ。そしてお菓子の「藤原商店」。

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プラカロは冷凍食品の店。最近賢い主婦などがここでまとめ買いしている

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カワベハムの自慢は上州牛。これが少々お高いが「うますぎる」肉なのだ。スーパーなどよりも格安なので牛なら「カワベハム」相模食肉なのだ。注/コマちゃんは決して一般人には刃物を向けません

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「カワベハム」が牛なら、豚の味わいでは「大商ミート」が三多摩地区では最高。

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ボクの憩いの店「藤原商店」。ボクはここで懐かしい菓子を買い。家人はここでチャコレートのまとめ買い。

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「伸優」には千鳥酢や本味醂、備長炭などがある。また珍味も多いので主婦などものぞいていく

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「ビックリや」はそれこそ野菜がビックリするくらいに安い

 食材屋の「伸優」をのぞき、そして八百屋の「ビックリ屋」。そば屋の「まつ浅」あさやんと釣りのことで立ち話していたら相模原橋本の「多子作」さんが顔を出す。多子作さんのトレードマークはツルツルにそり上げた頭の光沢。それがこのところ髪を伸ばしはじめているのだ。
「多子作さん、どうして頭剃らないのカッコ悪」
「そうかな。これがいいつう人もいるしな」
 あさやんが
「オレ、多子作さんて根っからのツルッパゲだと思ってた。これなら髪はあるほうだよ」

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 これはほめ言葉か?
相模原橋本「多子作」へは
http://www.tagosaku.com/

 考えた末に「ビックリ屋」でキノコとレンコン。
 後は一目散に帰宅する。

八王子の市場に関しては
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 八王子綜合卸売センター「平成食品」は冷凍肉の専門店である。店主は通称「カバだぬき」と呼ばれている。コヤツ、まったく目立たぬ妖怪で「うんともすんとも」言わない。せっかく八王子綜合卸売センターでもっとも人通りのある「高野水産」の前にありながら商品を並べようともしない。それで、今回はボクが勝手に新商品を作ってみることにした。といっても最近我が家オリジナルで静かなブームとなっている「薩摩しょうゆ漬け」というものを売ってみたい、という好奇心のはけ口に「平成食品」を利用しているだけなのだ。
 作り方はいたって簡単。鹿児島県笠沙の「わかしお」さんが送ってくれた同河辺町の「ヤマガミこうくちしょうゆ」とみりんで豚肉を漬け込んだだけ。材料にほとんど添加物がなく、生鮮品なので土曜日限定とした。これが26日に店頭にだしたら総て売り切れ、また今週も作ってみたいと意気込んでいるのだ。
 今週土曜日9月2日の朝からまた限定で売り出すので、好奇心がある方よっといで! ということなのだ。

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八王子綜合卸売センター「平成食品」のことは
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 八王子綜合卸売センター「大商ミート」は豚肉の専門店である。鶏肉も牛肉もあるにはあるが、なんといってもケースの中は豚だらけ。ロース、肩ロース、すね肉にバラ肉、そして豚トロホホ肉。超お買い得な豚こままで目移りすること必至である。今回は久しぶりに「豚の頬肉」である「豚トロホホ肉」を買うことにした。頬とはいうがどうも豚の頭部の側面についている肉であるという。
 そんな店頭での店長との会話。

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「これ(豚トロホホ肉)いつぐらいから売り出したのかな」
「そうだね。ちょっと前までは、これを小さく切って豚こまに混ぜてたのよね。豚肉屋はこれが売れるようになって助かったの」
「でも、これが豚こまに入っていたなんて、昔のこまの方がうまかったわけだね」
「そうかな。豚こまは買い時はあるよな。いろんな部分が入るから」
 こんな立ち話をして、その「豚トロホホ肉」を買って帰って、ちょうどその夜、テレビ東京の「アドマチック天国」という番組を見ていたら「ブタトロ」という名で旭川の焼き肉屋が登場していた。なんと豚の頬から後ろにかけての肉を「ブタトロ」として使い始めたのは5,6年前のことなのである。
 その「豚トロホホ肉」はあまり手を加えないで塩コショウで焼いて食べるのがいちばん。出来る限り焼きたてを、間髪入れずに食べる。当然、焼き方であるお父さんは、余れば食べられるが、ときとして一切れも食べられないときもある。
 我が家で食べる豚肉のほとんどは「大商ミート」のもの。その入荷の状況によって店長が勝手にあれこれ考えてくれて、それを素直にもって帰るのだ。どうも肉屋とじっくりつき合って、言われるままに購入するのがもっとも賢い買い方であるのがわかってきた。
「今日は肩ロースにしな」とか「ロースこの辺切ってあげようか」と声をかけられたときの豚肉の軟らかくて芳醇なうまさは例えようもない。しかも「大商ミート」の豚肉は激安なのである。

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八王子の市場のことはこちらから
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